電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

若い頃に買った本の紙質

2016年02月24日 06時05分27秒 | 手帳文具書斎
母屋のリフォームの関係で、古い本を大量に処分しました。若い頃、といってもほぼ40~45年くらい前に購入した本を見ると、紙の色が変色してしまっているものと、ほとんど変化が見られないものとがあることに気づきました。概して文庫本や新書などは紙質が悪いのか変色が甚だしく、単行本、中でも岩波書店等の専門書は、箱入りの装幀のおかげもあってか、あまり変色しておりませんで、いつでも開いて続きを始められます、という風情です。

これは、お値段の関係で紙が選ばれていることが大きいのでしょうが、それだけでなく、出版社が自社の本にどのくらいの寿命を想定しているかという姿勢も関係がありそうです。例えば、細菌の形質転換を明かにした一連の研究を知ることができたF.ジャコブ&E.L.ウォルマンの『細菌の性と遺伝』(1963)などはすでに古典的名著という位置づけだったのでしょうか、薄いけれど変色しにくい紙に印刷された文章や図版などが、まことに鮮明です。著者の寿命を超えて、燦然と輝くようです。このあたりは、さすがに岩波書店だなあと感心します。

箱から頻繁に取り出して熱心に読んだのでないからという理由もあるのではという指摘については……まあ、言わぬが花で(^o^;)>poripori



文庫本で購入して、これまで何度も読み返し愛読しているものは、できれば古びてしまう前に単行本で購入しなおしたいと思っていますが、意外にも文庫になってしまうと単行本が消えてしまうことが多いようです。たまに古書店で新しめのものを見つけることがありますが、そういうときは内心「やったね!」と喜ぶほどに嬉しいものです。


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