電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドヴォルザーク「4つのロマンティックな小品」を聴く

2008年07月27日 07時26分06秒 | -室内楽
しばらく目覚ましの音楽に用いてきた、ドヴォルザークの「4つのロマンティックな小品」は、大好きな音楽の一つです。先日、体調が悪くアパートでうつらうつらしていたときにも、無意識にリモコンでこの曲を流しておりました。演奏は、ヨセフ・スーク(Vn)とアルフレート・ホレチェック(Pf)、1971年の11月にプラハのドモヴィナ・スタジオで収録された、スプラフォン原盤のアナログ録音です。現在は、DENONの2枚組のCD(COCO-70545/6)としてクレスト1000シリーズにラインナップされ、本作品はDisc-2内にあります。実に価値ある1500円。たしか、昔はこのLPはずいぶん高かった記憶があります。高嶺の花ならぬ「高値の花」でありました。DENON さん、ありがとう!

第1曲、アレグロ・モデラート。思わず古き時代を思い出すような懐かしさを感じさせる、たいへんに美しい旋律です。寝ているときも、思わず耳をそばだてるほど。小音量で聴くミニコンポではヴァイオリンの旋律の美しさが際立ちますが、自宅で音量を上げて聴くと、ピアノがリズミックでこまやかな動きをしているのがよくわかり、たいへんいい雰囲気です。
第2曲、アレグロ・マエストーソ。重音で奏されるfffの音型と、弱いスタッカートで奏される音型とが交互に対比されます。耳に残る響きです。ヴァイオリンの重音に注意が向きがちですが、素人目(耳?)にはピアノがけっこう難しそうに聞こえます。実際はどうなのでしょう。
第3曲、アレグロ・アパッショナート。すっきりした美しい旋律が、様々に変奏されます。前の楽章が、やや暗めの曲調ですので、この楽章のすっきりした性格が、たいへん好ましく感じられます。
第4曲、ラルゲット。ため息をつくような嘆きの歌でしょうか。当初は「悲歌」と題されていたということもうなづける、内面的な激しさを秘めた、憂愁に満ちた曲調です。

ヴァイオリンの旋律性と、やや控えめながら、ピアノの深い響きとを両立させた、ドヴォルザーク円熟期の作品。作曲者46歳の、1887年に完成したとか。ドヴォルザークの旋律は、本当にほれぼれするほど素晴らしいです。

■スーク(Vn),ホレチェック(Pf)
I=3'04" II=2'55" III=2'12" IV=6'30" total=14'41"



写真は、野の花を撮影したもの。時期は7月中旬です。

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