電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

自宅裏果樹園のサクランボ倒壊被害はなぜ起こったか

2021年05月13日 06時01分52秒 | 週末農業・定年農業
この冬の豪雪被害は、少し離れたもう一つの園地のほうはまずまずのようですが、自宅裏のサクランボの被害がかなり甚大で、開花後に枯れ始めた樹も数本あり、実際は半数近い被害となっているようです。若木はなんとか大丈夫でしたが老木が軒並みやられております。この理由について、昨夏の豪雨災害による冠水が原因で根腐れをおこしたためと推測(*1)していましたが、退職してからせっせと草刈りをして枯れた樹の一本一本の状況を見てみると、どうもそれだけではなさそうです。

枯れた樹の分布を調べてみると、南側の排水溝の脇が多いです。しかも、昨年乗用草刈機で草刈りをしていたときには気づきませんでしたが、今年、刈払機で丁寧に草刈りをしながらよーく調べてみると、鼠穴がポコポコ開いています。あちゃー、野ネズミか〜! 雨水がしみこまないU字排水溝の下に、おそらく野ネズミが巣を作って増えてしまっているのだろうなあ。

そういえば、かつて亡父が元気だった頃、やはり大雪の年に、雪の下で野ネズミもエサがなくなりサクランボの根っこをかじっていたらしく、ずいぶん枯れたことがありました。あのときも、枯れた樹を伐倒して新たに苗木を植えたはず。たぶん、今の若木がそのときの世代なのでしょう。

そうか、それで辻褄があうぞ。

  1. 樹形を整えようと無理な剪定をしたために、樹幹の一部が枯れた(*2)ことがあり、前後左右のバランスが一方に偏ってしまった樹があった。
  2. 大雪でいつもならば融ける雪がなかなか融けず、野ネズミがサクランボの根をかじったため、根張りの浅いサクランボはぐらぐらする状態になっていた。
  3. バランスの悪い樹に湿った雪がどっと積もったため、残った根で支えられなくなり、ひっくり返ってしまった。
  4. 無事のように見えた樹も、花は咲かせたものの根から水分や栄養分を吸い上げる力が弱く、その後に枯れてしまった。

ということなのでしょう。

これは、すぐに野ネズミ対策を実施し残った樹を救うことがまず必要です。園地の周囲を耕運機で耕しモグラ穴を切断することで隣接園に被害が拡大することを防ぐと共に、殺鼠剤を入れながら鼠穴の周辺を丁寧に耕して野ネズミの穴をふさぐことが必要です。次に、園地の空いた部分をどうするかを工夫する必要があります。単純に経済的な観点からは収穫単価の高いサクランボの植え替えでしょうが、サクランボの苗木を今から注文して植えたとしても、収穫できる十年後には私は80歳になっているだろうから、あまり懸命な判断とはいえません。植えるならば三年くらいで収穫できる桃だろうなあ。「あかつき」「川中島白桃」「見晴白桃」のほかに、妻が食べたいと希望の「黄金桃」など別の品種を植えてみるというのはどうだろう? 大きな経営判断が必要のようです。

(*1): サクランボ果樹園の今冬の被害状況は〜「電網郊外散歩道」2021年3月
(*2): プロだから大丈夫というわけではない〜サクランボ剪定の意味〜「電網郊外散歩道」2020年2月

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