電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

秋の日のヴィオロンのためいきはうら悲しいとは限らない

2020年10月31日 06時01分30秒 | 季節と行事
晩秋になると思い出すヴェルレーヌの詩を上田敏が訳した詩の一節:

秋の日の ヴィオロンのためいきの
 身にしみて ひたぶるに うら悲し

これはたぶん私が中高生頃に印象深く触れたものだと思いますが、若い頃は孤独感・寂寥感にセンチメンタルに共感したように思います。もちろん、実際に困窮する人々にとっては、この季節はとりわけ「身にしみて ひたぶるに うら悲し」いものに感じられることは間違いないでしょうが、定年退職もとうに過ぎ、年金受給年齢も過ぎてなお週末農業に従事する私のような場合、少々感じ方には「ずれ」があります。それはたぶん、

秋の日のヴィオロンの選曲を間違えたのだね!

と思ってしまうようなものです。もう少し、過去の良き出来事や懐かしい人々を追想するような音楽を耳にすることができれば良かったのだろうなあ。

秋の日、都会ではうらぶれ感ばかりが目につくのかもしれませんが、田舎では秋の日差しの暖かさやトンボが飛び交う田園の夕日の美しさなど、思わずうっとりするような要素も少なくありません。晩秋の田畑や果樹園には、まあ、確かにお天気しだいではありますが、来年の収穫のための準備作業がどっさり待っていますから、正直に言って「それどころじゃない」のです。



さて、本日は妻と一緒に「Go to オペラ」の日。プッチーニの歌劇「トゥーランドット」(*1)です。その前に、少しでも柿の収穫をしておきましょう!

(*1):コンサート情報:歌劇「トゥーランドット」〜山形交響楽団

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