電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

香月美夜『本好きの下剋上』第五部「女神の化身III」を読む

2020年10月17日 06時00分15秒 | -香月美夜
新刊発売後、一ヶ月が経ちました。香月美夜著『本好きの下剋上』第五部「女神の化身III」を再読しましたので、取り上げます。最近、年甲斐もなく面白く読んでいるライトノベルですが、どうやら中学生の孫も楽しんでいるそうで、喜ばしい限りです(^o^)/
通巻で第24巻となる本巻は、ダンケルフェルガーとの嫁取りディッターで奮戦し、回復薬を飲みすぎたローゼマインをめぐって、側仕えたちの反省と自戒から始まります。併せて、中央騎士団の中に「トルーク」という植物を使い、幻覚を起こして人を操るものがいるという疑いが生じます。

それはともかく、当面の課題は領地対抗戦を乗り切ることです。三つの共同研究を同時進行していることから、それぞれを形にしなければなりません。アーレンスバッハとはライムント設計になる「おしゃべりシュミル」に厳選・愛の言葉の朗読プラス本の宣伝を、ドレヴァンヒェルとはエーレンフェスト特産の魔紙を用いた省電力型音楽再生器をアドバイスします。肝心のダンケルフェルガーとは第一夫人ジークリンデとの交渉となりますが、この人がまた肝っ玉かあちゃんのようで、夫も息子も頭が上がらないらしい。ハンネローレの無理やり嫁入り話もなんとかもとに戻し、ディッター物語の挿絵の権利もゲットするとともに、アウブ・エーレンフェストから中央のトルーク疑惑をダンケルフェルガーに伝えてもらい、ようやく一段落。

婿入り先のアーレンスバッハから一時的に帰ってきたフェルディナンドにローゼマインは大喜びですが、奉納舞で舞台に魔法陣を浮かび上がらせたことで、アーレンスバッハのわがまま娘ディートリンデが次期王候補に取り沙汰され、そんな馬鹿な(^o^)/

いやはや、どうしようもないアーレンスバッハの救いのなさと、迷える王族の悩みが描かれるとともに、エーレンフェストとダンケルフェルガーの相互理解が深まった巻でした。



過去記事の一部で、本書の題名が『本好きの下克上』になっていたことに気づき、あわてて修正。『下剋上』が正しいです。気づいたきっかけは、12月10日発売予定の第五部第4巻を予約に出かけた書店で、書店員さんが「下剋上」と手書きしていたのを見て、「あれ?」と思ったため。なんともはや、かな漢字変換を鵜呑みにしていてはいけませんね〜(^o^;)>poripori

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