電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

進駐軍ゆかりの駅舎が取り壊され改築されることに

2017年10月01日 06時06分35秒 | 散歩外出ドライブ
太平洋戦争終結後、山形県の神町にあった海軍航空隊の後に米占領軍が進駐し、いわゆる進駐軍の神町キャンプがスタートしました。このときに拡張整備されたのが奥羽本線神町駅で、貨物駅と旅客駅の両方の機能を有し、さらに進駐軍の専用線も整備されたそうです。その後、進駐軍の撤退により普通の国鉄の駅に戻りますが、駅舎の特徴的な外観はそのまま残っておりました。



例えば駅名の表示は「JIMMACHI STATION」となっています。ローマ字表記ならば、JINMACHI となるところですが、「じんまち」ではなく「じむまち」となっているところが、いかにも進駐軍的です。駅の入り口も、中央の大きな玄関が進駐軍用だったとか(*1)。その後、貨物の取り扱い窓口となっていたこともあったようです。東根市神町地区は著名な果樹産地でもありますので、宅配便が普及する以前には、大きな木箱に籾殻の中にリンゴを詰めてここから送り出されたのでしょうか。この駅舎も老朽化により改築されることになった(*2)そうで、取り壊しが始まる前に、急いで写真を撮ってきました。



今は主として高校生が通学に利用する無人駅です。無人駅とは思えない立派な駅舎内部の構造は惜しまれますが、おそらくは耐震基準を満たさないなどの問題点があったのでしょう。小ぶりの新しい駅舎が完成したら、特徴的な外観のイメージがどんなふうに残されるか、じっくり観てみたいものです。

(*1):神町駅〜Wikipediaより
(*2):消える戦争の「生き証人」〜山形新聞オンラインより

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