電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

30代の健診で26年の予後を予測できるのか?

2015年06月12日 06時01分20秒 | 健康
健康診断については様々な見方や意見があり、専門家の見解には一定の敬意を払いつつ参考にしているという良識的なものから、自分の健康維持さえロクにできない医者の意見など聴く耳持たん!というような暴論まで、実に様々なようです。私も、怪しげな健康法や健康食品などには近づかないようにしておりますが、お医者さんが専門的な立場から興味深い論文をときどき紹介してくれるサイト「六号通り診療所長のブログ」(*1)は、興味深く拝見しております。今回は、表題のとおり、30代の健康診断で26年後の状況をある程度予測できるのか、というものです。

これによれば、2015年5月の "BMJ Open"誌にウェブ掲載された、30代で一回だけ行われた健診や生活習慣のデータで、ある程度将来の病気や予後を予測可能になるとのこと。具体的な内容は:

スウェーデンの33~42歳の病気のない男性757名を登録、652名に健診を実施して、26年間にわたって経過を観察。糖尿病、心筋梗塞、癌などの発症リスクと健診結果との関連性を検証したのだそうです。また、生活習慣に関しては、喫煙歴、運動習慣、飲酒歴を、測定値と検査値のほうは:BMI、血圧、総コレステロール値、中性脂肪値、血糖値を対象に。

  1. 登録時点で喫煙歴ありの人と喫煙歴なしの人とでは、心血管疾患の発症リスクは平均で2.54倍(1.45~4.45倍)、コレステロール値は232.0mg/dL以上に対して177.9mg/dL未満となっており、心血管疾患リスクは2.15倍(1.11~4.16倍)
  2. 生活習慣の指標のみで見ると、低リスク群と高リスク群とで、平均して0.44倍(0.22~0.89倍)と、56%有意に低下している。しかし、癌の発症リスクでは、有意の差は見られない
  3. 総合的に全ての指標を入れて計算すると、低リスク群と高リスク群とでは、癌の発症リスクで0.34倍(0.17~0.70倍)の差異が見られた

とのことです。

その他、糖尿病の発症との関係などについては、元の記事(*2)をごらんいただきたいところですが、あらためて喫煙習慣を持たなかったことを、良かったなあと感じます。


(*1):六号通り診療所長のブログ
(*2):30代の健診で26年の予後を予測できるのか?~六号通り診療所長のブログ


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