電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

果樹園を放置するとどうなるか

2015年06月24日 06時00分59秒 | 週末農業・定年農業
2008年の夏に父が亡くなったとき、丹精していた果樹園をどうするかが問題になりました。当時はまだ単身赴任でしたので、自分が果樹園農業を引き継ぐことは想定できず、どなたかに委託してはどうかと考えました。近所のほぼ同世代の人に相談したところ、その父君で亡父をよく知っている人から、「お父さんは80代でやれたのだもの、週末農業でやれるのではないか。わからないことはいくらでも教えるから」と諭され、それではということで、翌年の春から、自分でやってみることにしたのでした。

あれから七年。今や、週末農業はすっかり定着し、大きな楽しみに変わっております。あの時、果樹園を引き継ぐことを諦め、放置していたら、いったいどうなっていたのだろう?



実は、我が家の数年後に、委託先の高齢化で手入れができなくなってしまい、ここ三~四年ほど放置されたまま、荒れ果ててしまった果樹園があります。草はぼうぼうと伸び放題、サクランボは病気のために枝の先の方から葉が落ちて花も咲かず、枯れてしまったものや、今にも枯れそうな樹が立っているだけです。残った樹に付いた赤い実を求めて野鳥の大群が羽を休めている様子は、まるで幽霊屋敷の裏庭のような風情です。こうなってしまってからは、全部を切り倒し、植え直し、成長して収穫できるまで手入れをする必要があります。たぶん、最低でも十年間は、再開は難しいでしょう。




あの時、近所の老人の助言に従い、自分でやってみることを決断(*)していなかったら、我が家の果樹園もこんな風に荒れてしまっていたのかと思うと、実に感慨深いものがあります。

(*):果樹園の再開を目指して~「電網郊外散歩道」2009年3月

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