電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

シューベルト「交響曲第5番」を聴く

2012年12月23日 06時05分19秒 | -オーケストラ
ここしばらく、通勤の音楽としてシューベルトの交響曲第5番 変ロ長調D.485 を聴いております。演奏は、オトマール・スウィトナー指揮のシュターツカペレ・ベルリン、DENON の紙箱全集からの1枚(COCO-83992)です。

添付のリーフレットによれば、この曲は1816年9月から10月3日までの間に完成したとのこと。細かい期日までわかるのは、自筆譜に日付が残っているのだそうです。
楽器編成は、Fl(1),Ob(2),Fg(2),Hrn(2),それに弦5部というもので、従来加わっていたClやTp,Tb あるいはティンパニが省略された、小規模なものになっています。これは、経費の都合や演奏者が探せなかったというような消極的なものではなくて、どうやら作曲者の意図的なものらしい。このあたりの本当の理由は不明です。

第1楽章:序奏なしにアレグロで始まります。変ロ長調、2分の2拍子。のどかな木管に続く弦楽の優美さ、そしてフルートの活躍、小編成ながら効果的な転調による表情の変化など、ぐっと成熟と活力を感じさせるものになっています。
第2楽章:アンダンテ・コン・モート、変ホ長調、8分の6拍子。曲中で、演奏時間が一番長い楽章です。主題がいかにもシューベルト的です。
第3楽章:メヌエット。アレグロ・モルト、ト短調、4分の3拍子。調性から見ても、モーツァルトのト短調交響曲を連想させる音楽になっています。もちろん、あれほどの切迫感はありませんが、それでもなかなか聴かせる音楽です。
第4楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ、変ロ長調、4分の2拍子。曲の雰囲気に、第1楽章の喜ばしい気分が戻ってきます。かと思うと、後半には調を変えて第3楽章の気分が何度も再現されたりしています。

■スウィトナー盤
I=7'00" II=10'55" III=5'08" IV=7'47" total=30'50"



もう一つ、2008年の8月17日に NHK-FM で放送された、黒田恭一さんの「20世紀の名演奏」では、ホルスト=シュタイン追悼として、「ジークフリートの葬送行進曲」や「リエンツィ」序曲、「マイスタージンガー」第一幕の前奏曲などのワーグナー作品と、シューベルトのこの交響曲を取り上げておりました。バンベルク交響楽団を指揮した1986年の録音は、ゆったりとしたテンポの、いかにもホルスト=シュタインらしい堂々たる演奏で、なにを今さらと言われそうなカセットテープですが、好んで聴いています。

もしかして、これが記念すべき3,000本目の投稿でしょうか。節目の記事がシューベルトの交響曲第5番というあたりに、いかにも電網「郊外」散歩道らしい、メインストリートを外れた気楽さが現れております(^o^)/

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