電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ハイドン「交響曲第85番"王妃"」を聞く

2007年03月19日 06時40分26秒 | -オーケストラ
ハイドンの交響曲は、古典派の代表的な音楽でしょう。若い頃は、ドラマ性に乏しく、面白みに欠ける音楽と感じ、あまり熱心には聞きませんでした。ところが、亡き恩師に贈られたオラトリオ「四季」のLPや、弦楽四重奏曲「ひばり」のCD等をきっかけに、ある時期からハイドンの音楽の魅力に開眼。さらに、山形交響楽団の定期演奏会で、時折ハイドンの交響曲を取り上げるものですから、実演体験もこれを後押ししました。で、ときどきハイドンの交響曲などに手が伸びます。

第1楽章、アダージョ~ヴィヴァーチェ。ハイドンらしい、明快でフレッシュな音楽。オーケストラの規模からも、ダイナミクスもじゅうぶんな演奏です。
第2楽章、ロマンス~アレグレット。陰影の豊かな緩徐楽章。抽象的でない、人間的な感情もじゅうぶんにこめられています。子鳥が歌うようなフルートのソロが美しく楽しい。
第3楽章、メヌエットとトリオ、アレグレット。いかにもハイドンのメヌエット。舞曲としての優雅さ、楽しさがあります。オーボエやファゴットの明るく屈託のない表情なども、集中した演奏であることを示しています。
第4楽章、ロンド主題が軽やかに展開されます。アンサンブルの力量が問われる部分ですが、真剣な集中力で、ハイドンの軽やかさを生かしています。

演奏は、飯森範親指揮、山形交響楽団。2006年3月、山形テルサ・ホールでの定期演奏会のデジタル録音で、CD/SACDのハイブリッドCDとなっています。レコーディングはオクタヴィアが担当したもののようで、OVCX-00024 という番号。お菓子の「ラスク」等で当地では有名な「シベール」(*)の後援に対する thanks to が付されていますが、こういう地域企業の社会貢献はたいへん好ましいものです。

写真は、左がこのハイドン「王妃」とシューマンの交響曲第4番のCD、右はR.シュトラウスの「イタリア」とビゼーの「アルルの女」組曲のCD。今年から8年がかりで、古楽器奏法によるオリジナルスタイルのモーツァルト交響曲全曲演奏がスタートしますが、これも録音されてCDになるはず。楽しみです。

(*):洋菓子のシベールCYBELE
最近は、県外でもけっこう親しまれているのかな。
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