電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

半日かけておひな様をかざる

2007年03月18日 13時47分22秒 | 季節と行事
当地では、桃の節句の季節感はやはり旧暦のほうがしっくり来ます。したがって、お雛様を飾るのも旧暦にあわせて、という家が多いようです。わが家でも、二年ぶりにお雛様を飾りました。

まず、ひな壇を組み立て、緋毛氈を敷きます。次に、内裏雛の場所から順に、人形や持ち物、調度品等をセットしていきます。



ようやく飾り終わりました。



内裏雛と三人官女、五人囃子です。紅白のでかい饅頭を従えた三人官女は、要するに飲食物・おやつ担当、酒樽はずっと下のほうにありますので、お内裏様は二人とも甘党だ、ということがわかります。また、五人囃子は要するに楽師でしょう。芸術と音楽家の独立を宣言したベートーヴェン以前ですが、この人たちは小刀を帯びることが許されているのですね。音楽を愛する者は危害を加える恐れなし、ということなのでしょうか。



美男美女、似合いのカップルと言っておきましょう。誰だい、「色男、金と力はなかりけり」なんて言ったのは。お雛様は、金も権力もありそうじゃないか。



しかし、お雛様、なかなか美人さんではありますが、平安時代、入浴の習慣がなかったとは!ちょいと親しいお付き合いは敬遠したいところです。平安時代の平均寿命が短いのも、なるほどと頷けます。もしも、皮膚科のお医者さんがこの時代にタイムスリップしたら、きっと大繁盛するかも(^o^)/



与太話はともかくとして、かくのごとくほぼ完成いたしました。これから、雛あられなどの菓子類と、人形を見に来る近所の人たちにご馳走するお酒を用意いたします。
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プロコフィエフ「交響曲第7番」を聴く

2007年03月18日 06時03分51秒 | -オーケストラ
春なのにまだ雪が降る週末の朝、コーヒーを飲みながら、小沢征爾指揮ベルリンフィルの演奏で、プロコフィエフの交響曲第7番を聴きました。

第1楽章、モデラート。哀調を帯びた、やや悲しげな開始。だが、曲調は童話的な要素を持ちながら、次第に広々としたものを感じさせるようになっていきます。最後に主題が再現し、静かに終わります。
第2楽章、アレグレット~アレグロ。活気のある、プロコフィエフらしい音楽。ちょっと踊りだしたくなるような音楽です。
第3楽章、アンダンテ・エスプレッシーヴォ。ゆったりした、落ち着いた気分の音楽ですが、ハープや多彩な打楽器の響きも聞こえ、あくまでもモダンでスマートなアンダンテ・エスプレッシーヴォです。
第4楽章、ヴィヴァーチェ、モデラート・マルカート。まるでバレエ音楽のような軽妙さで始まります。哀調を帯びた美しい旋律と、神秘的な響きと、活気あるリズミックな部分とが交替します。小沢盤の終結部は、そっと消え入るように終わってほしい、という作曲者の要望にそったものでしょうか。

ピアノをはじめ、多彩な楽器の音が聞こえますが、それが隠し味のようにさりげなく使われていて、思わず感嘆してしまいます!響きは明快・透明で、リズムは踊りだしたくなるほど。バレエ組曲だと言ったら信じる人もいるでしょう。童話的な神秘性もあり、ほんとに魅力的な音楽です。嬰ハ短調、4楽章からなるこの交響曲は、1952年に誕生した曲とはとても思えません。当時の「現代音楽」の範疇からはかなりはずれているものと思われ、冷戦真っ只中の西側識者の覚えは必ずしもめでたくなかったのだろうなぁと推測されます。でも、半世紀を過ぎて、この曲はしっかりと演奏会のプログラムに残っているのですね。「青春」という愛称は、私の年代にはやや気恥ずかしいものですが、なんとなく頷ける要素を持っているように思います。

小沢征爾指揮ベルリンフィルハーモニー。1989年にデジタル録音された、グラモフォンの紙箱全集盤です。

■小沢征爾指揮ベルリンフィル
I=9'52" II=7'58" III=5'48" IV=9'00" total=32'38"
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