電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ブルックナー「交響曲第8番」を聞く

2007年02月10日 20時16分22秒 | -オーケストラ
激務の一週間を終えて、ようやく迎えた週末、好きな音楽を充分に聴くことができない鬱憤を存分に晴らそうと、ブルックナーの交響曲第8番を聴きました。演奏は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団。1969年10月に、クリーヴランドでアナログ録音された、2枚組の正規盤(CBS-SONY 52DC207-8)です。

交響曲第7番の初演と成功で、他にも第3番などの作品が演奏されるようになり、ブルックナーが満足感を持って次の作品に向かった、それがこの第8番だそうです。大きな伽藍を見上げるような音楽。

かつて長距離通勤だった頃に、CDから二本のメタルカセットテープにダビングし、連日好んで聞いていた時期がありました。通勤の音楽として、だいぶ長い間楽しみました。以来、音楽を「聴いたぞ~っ!」という満足感を味わいたいときに取り出す、定番CDとなっております。

第1楽章、アレグロ・モデラート。初めてこのCDを聴いたときに、出だしの始まりの部分から、もうぐいっと引き込まれるような感じがしました。明晰で響きの均衡の取れた、それでいて神秘性を有する演奏がありうるのですね!
第2楽章、やはりアレグロ・モデラートと指示されたスケルツォ。何度も繰り返されるスケルツォの主題が、何か煽り立てられるような気分になります。でも、ハープが登場するあたりではすでに気分も変わり、主題が再び登場するときには、金管部隊の大活躍に胸がスッとします。
第3楽章、おごそかにゆっくりと、しかしだらだらせずに、と指示されたアダージョ楽章。この楽章だけで、古典交響曲のほとんど1曲分に相当します。そっと控えめですが、ハープの音も印象的。徐々に緊張感が高まってコーダに至る高揚感は、言葉がありません!
第4楽章、おごそかに、速くなく、との指示のあるヒロイックなフィナーレ。冒頭のロシアのコサック連隊ふうの金管がなんともかっこいいい。堂々たるフィナーレも、いかにも「シンフォニーを聴いたぞっ!」という満足感を味わうことができます。

ブルックナーというと、金管がパッパカパッパカ派手に鳴る印象が強いのですが、弦楽の部分が、なんともいえず厳しく清楚で、そして素晴らしく美しい。特に、第3楽章のアダージョなど、その感を強く持ちます。その上で咆哮するだけに、金管がことさら印象深く感じられるようです。

■セル/クリーヴランド管
I=14'33" II=16'19" III=29'09" IV=22'00" total=82'01"

ちなみに、世の多くのジョージ・セルのファンが投票した、セルの名演ベスト10なる結果(*)が発表されており、この録音は第3位に入っているようです。ちなみに、ここで推薦者として記載されたE教授とは、歴史学者の故江口圭一教授のことらしい。理系人間の私は、氏についてはよく存じ上げませんが、ジョージ・セルの音楽をこよなく愛された方だったようです。

(*):ジョージ・セルを知っていますか?~ジョージ・セル名演BEST10~投票結果
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雪が降ってきました

2007年02月10日 09時19分11秒 | 季節と行事
今週は、なんとも激しい一週間でした。ようやく週末になり、自宅でほっとしています。今までの、好きな音楽を心ゆくまで聴けないという鬱憤を払拭するべく、ブルックナーの交響曲第8番を聴いています。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管の演奏です。

さて、老父母二人とも、手術をしてから一年が経過(*1,*2)しましたので、先日、いつもの病院で胃カメラ等の検査をしたそうです。手術時の病理検査の結果が「無罪放免」で、それほど心配はしていませんでしたが、一年後もやはりシロだったそうで、二人とも喜んでおりました。80代の老父母が元気で美味しいものが食べられて、ひ孫を抱き、年齢と体力にあった畑仕事ができることをありがたいと思います。病院勤務医や看護スタッフの過酷な状況については、実状を知るにつけても、たいへんだなぁと思いますが、その中でもベストな結果を出してもらったことに感謝、です。

それにしても、今年の雪の少なさ。写真は、これでも今冬最大の積雪となった、一月の雪景色です。本日の雪は、みぞれ状の湿った雪で、これほど積もりそうにないですね。

(*1):老母の胃ガン手術終わる
(*2):老父の直腸ガン切除手術終わる
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