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評価 (3点/5点満点)
本書の仕事術の核をなすのは、以下の3点です。
1.アイデアはすべて5秒以内に手帳に記すこと(発想の管理)
⇒24時間、ペンを挟んだ5号ノート(A6サイズ)を持ち歩く。
2.必要な書類の9割を30秒以内に机上に取り出せるようにすること(書類の管理)
⇒角型2号封筒を大量に使い、保管場所はすぐ手の届く、机の右袖引き出しに統一。
3.時間管理の中心に睡眠リズムを置くこと(時間の管理)
⇒集中力のピークを1日に2度以上作るために、休憩効率の高い昼寝をあえて覚醒時間の中央に置く。
3の時間管理において、眠気の周期性という生理学的な法則性を考慮に入れた点が、精神科医が書いた本書の特徴ですね。
また、著者は大学付属病院でのマネージャーとしての役割も持っており、業務が細分化し、機能分担が明確な組織での経験は、一般のビジネスパーソンにも役立つと思います。
【my pick-up】
◎仕事の要領が悪いとはどういうことか
「優先順位がわかっていない」「求められる正確性のレベルがわかっていない」「労力の傾斜配分ができない」この3点につきます。こういう人間のことを指して「あいつは仕事ができない」というのです。
◎時間管理の基本は体調管理
夜の睡眠(と昼寝)を合計7時間は確保すること。思考力が最高潮の時間の難度の高い知的作業を、思考力の低下した時間帯に難度の低い知的単純作業を入れる。午後に集中力を要する仕事が入る場合は、意識的にその前の昼休みに昼寝を入れて、テンションをいったん下げる時間を作る。
◎よき睡眠のためには適度の肉体疲労が必要
昼間の集中力が下がりがちなのは、夜の眠りが浅いからかもしれません。その場合、なぜ眠りが浅いのかといえば、その理由は眠りを深くするために必要な肉体疲労が少ないからです。本書の読者のようなビジネスパーソンにとって、健康上の最大の脅威は運動不足です。多忙な日々にあっても、努めて歩数を稼ぐようにしましょう。1日7000歩を目安にするといいでしょう。肉体疲労を得ること以上に睡眠をよくする方法はありません。精神の疲労だけでは眠りは深くなりません。身体の疲労が必要です。