評価 (3点/5点満点)
この本では、著者の若杉アキラさんが試行錯誤を繰り返しながら見つけた「時間のムダ」を捨て、自分にとって「自由な時間」を確保する方法を紹介していきます。
若杉さんは、仕事を引き換えに家族との時間を失い、わが子の成長を見つめる時間まで逃してきたことに気づき、これまでの時間の使い方を変えました。家族との時間を増やすために、ワーカホリックになって社会的な成功を目指すことも、苦手な人と付き合うことも捨てました。
大切な人との時間、スキルアップの時間、勉強の時間、趣味やスポーツの時間・・・その自分にとって自由な時間こそが、人生を豊かにするのです。
その意味で、本書では「仕事だけの部分最適」ではなく、「仕事+私生活=人生の全体最適」をテーマに、仕事、お金、片づけ、人間関係、夫婦、育児といったカテゴリー別に構成し、「時間のミニマル化」を実践するコツを解説しています。
「やりたいこと」を優先すると、「やるべきこと」だと思い込んでいた「やらなくてもいいこと」が削ぎ落されていくことを、行動の中で実感すると思います。
【my pick-up】
◎仕事ばかりにならない
まずは自分が決めた時間内は仕事をしない。その時間はほかのことをするか休むだけにして、ワーカホリックの自分をリセットする。それで自然体の自分に戻るだけでいいのです。
◎「行きたくない飲み会」は断る
飲み会はいっさい参加しない、あるいは歓送迎会や忘年会など以外は参加しないという「スタンス」を伝えるのもいいでしょう。仕事で成果を出していれば、不利益を被ることはありません。飲み会に行かないせいで不利益を被るような会社は、そもそもいる意味があるのか疑問に思います。
◎1つ買ったら、3つ捨てる
「1つ買ったら、3つ捨てる」を実践すると、ムダな買い物をしないので、お金と時間のムダがなくなります。たとえば、ワイシャツを1枚買ったら、いま持っているワイシャツを3枚捨てます。モノがたくさんあるうちは、どんどん捨てられますが、少なくなってくると「お気に入りのモノ」ばかりになってきて、買い物に慎重になります。つまり、自分が持っているモノを3つ手放してでも、欲しいと思えるモノしか買わなくなるので、ムダな買い物がなくなるのです。