評価 (3点/5点満点)
この本で言う「仕事ごっこ」とは
・生まれた当初は合理性があったものの、時代や環境や価値観の変化、及び技術の進化に伴い、生産性やモチベーションの足を引っ張る厄介者と化した仕事や慣習。
・コラボレーション、ひいてはその組織とそこで働く人の健全な成長を邪魔する形骸化した仕事や慣習。あるいは、仕事のための仕事。
形骸化した「ごっこ遊び」にまみれている組織は、コラボレーションを遠ざけます。また、「仕事ごっこ」しかできない人は、定年後の雇用延長や、故郷での再就職が難しくなると思います。
古い仕事や慣習に最大の敬意を表しつつ、優しく滅ぼしていく徳が必要なのではないでしょうか?
【my pick-up】
◎所詮社内運動
ある中小企業での取り組み。社内でしか使わない資料は、体裁を気にしすぎない。PowerPointを作らず、手書きメモでも、テキストファイルの箇条書きでもOK。「てにをは」や誤字脱字も容認する。そのような取り組みを進めています。名前は「所詮社内運動」。「所詮社内」というネーミングも絶妙で、この運動が始まって以来、上司と部下の間で「所詮社内だから、凝らなくてイイよ」「所詮社内なので、テキストファイルで済ませました」などの会話が生まれ、正しく手を抜く文化が定着しつつあるそうです。
◎ラクをすることは美徳。ITを活用しよう
人間ゆえの弱みに向き合って、仕組みでナントカすること。それを「マネジメント」といいます。何でもかんでも手書きさせる、ハンコを押させる、ITを活用しない職場を、社員は大切な友人や後輩にオススメしたいと思うでしょうか?「いろいろ面倒くさい会社」だと思われ、正しく活躍したい人がどんどん遠ざかります。すなわち、企業のブランドにも関わるのです。
◎むしろ、こういう慣習こそビジネスマナー違反!
なぜシャチハタNGなのか、理由を説明できますか?シャチハタは、押印をラクにしたすばらしいツールです。ラクをすることは、悪いことではありません。雅はどうでもいい。生産性重視でいきましょう。できることなら、押印そのものをなくして、署名やクラウドサインでOKなどに変えていってください。