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評価 

(3点/5点満点)
著者の髙田敦史さんは、54歳7か月でトヨタ自動車を退社し、フリーランスへ。退社する直前の役職は、レクサスブランドマネジメント部部長。
言わずもがなトヨタは超優良企業で、部長になれるのは大卒社員の10人に1人程度。現役の部長が50代で辞めるのは大変珍しいし、ましてやフリーランスになるという話はあまり聞いたことがないですね。しかし、髙田さんは40代になった頃から定年前に会社を辞めてフリーランスになることを考えていたそうです。
会社の本音は、特殊な技能を持っている人を除けば、50歳以上の社員には早く辞めてもらいたいのです。また、50代半ばの役職定年から10年間会社にぶら下がってしまうと、もはや新しい仕事を始める気力も体力も残っていないでしょう。その意味では、50代半ばというのは、自分自身の未来を左右する大変重要なタイミングと言えます。
本書のメインメッセージは、働き方改革という言葉は、若者だけでなく今後のシニア世代にこそ当てはめるべきだということ。個人で稼げる環境は若者だけでなく、全世代に開かれつつあるのです。
50代からの人生の後半を国や企業に守られるのではなく、自分の力で生きるというという選択肢を提案する1冊。30年前後にわたり社会人として生きてきた知識、経験、人脈は、会社から離れても使えるはず。会社のことは優秀な次の世代に任せましょう。
会社員時代の経験と人脈を生かして、フリーランス(個人事業主)として働くことを中心に書いています。
【my pick-up】
◎辞められる人は40代までに自分の専門分野が固まっている。辞められない人は社内事情に詳しいが専門分野を持っていない。
若い時に多種多様な仕事を経験し、30代半ばぐらいからは専門領域で実績を上げ、40代後半からはその領域のマネジメント的立場で組織の指揮、運営を行っているというのが1つの理想像だ。つまり、ジェネラリスト的要素を兼ね備えたエキスパートが望ましい。日本の会社、特に文科系はジェネラリスト志向が強い。ある派遣会社の方いわく、中途半端な元役員より、専門知識のある部長や課長クラスの方が圧倒的にニーズがある。とはいえ、社内で全く出世を目指さなくてもいいかというとそうでもない。ポストが上がれば責任のある仕事が回ってくるし、人脈も広がる。要は、単に「出世したい」ではなく「将来は○○分野のプロになり、部長職までは行きたい」といったプランを自身で考え、上司や人事にそのプランに沿った相談をすればいいのだ。