35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術 (PHPビジネス新書) 価格:¥ 861(税込) 発売日:2011-04-26 |
評価 (3点/5点満点)
ボストン・コンサルティングやA.T.カーニーなどで20年以上の経営戦略コンサルティング経験を持つ山本真司さんが、他者と仕事をするための「仕組み」として、40個の手法を紹介します。
その「仕組み」が目指すのは、
・マネジャー一人がテンパって頑張る仕事術ではなく、部下も含めた全チームメンバーで頑張る仕事の仕方であり、
・部下もマネージャーも仕事を通じ成長する、
・それでも、絶対に最良の品質の仕事をするという旗だけは下ろさない、
ということです。
「史上最凶のマネージャー」と呼ばれた過去をカミングアウトし、その苦労を乗り越えて作り上げた今回の「仕組み」仕事術には、著者山本さんの実体験による有効なチームワークの秘訣が詰まっています。それを実践すれば、部下・顧客を好きになり、彼らが仲間に思えてくるようになりますよ。
【my pick-up】
◎窓際時間管理術
部下に実力を十二分に発揮してもらうためには、部下の私生活の時間への配慮こそ優先すべきなのだ。私のやり方は、「窓際時間管理術」という方法である。要するに、窓際サラリーマンの生活を基本にしようという原則だ。働くのは月~金、9時~5時を基本にしようというもの。あくまでここを目標とする。
窓際時間を原則にすることで、残業や土日出勤は「異常事態」という認識になる。忙しいから、残業は当たり前、休日出勤も当たり前という前提にたって仕事を進めていくと、いろいろな悲劇が起きるもの。
部下の私生活上、とても大切な時間を何の配慮も、説明もなく当然のように奪ってしまおうとすることに対し、部下は、マネージャーはそういう人だと思って不信感が募る。
◎永遠の成長を目指し勉強せよ
まずは、「行動あるのみ!」。「いま、何を勉強しているか?」「この1年で何を学んだか?」を反芻してほしい。忙しいからという言いわけは聞きたくない。忙しい→時間がない→勉強できない→自分が成長しない→そんな自分を部下が尊敬してくれない→部下を120%活用するようなマネージャーになれない、そして、さらに忙しくなる。悪循環だ。
いますぐ断ち切ってほしい。いまをこなすだけの自分から決別してほしい。そうではなく、毎日1ミリでも良いから成長する。そのために、本を1分でもいいから読み、勉強するという行動を始めてほしい。きっかけさえつかめれば、「仕組み」仕事術は劇的に仕事効率を改善してくれる。だから、時間は作り出せる。
その時間を無駄にしてはいけない。自分の成長のための勉強の時とする。それによって、自分はさらに成長する。自分の成長→部下の尊敬を得る→チーム成果が改善する→さらに、忙しくなくなる→さらに勉強できる→さらに成長できる。好循環サイクルが始まるのだから。