厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

今年112冊目『35歳からの「脱・頑張り」仕事術』

2011-05-27 09:49:37 | おすすめビジネス書
35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術 (PHPビジネス新書) 35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術 (PHPビジネス新書)
価格:¥ 861(税込)
発売日:2011-04-26

評価  (3点/5点満点)

ボストン・コンサルティングやA.T.カーニーなどで20年以上の経営戦略コンサルティング経験を持つ山本真司さんが、他者と仕事をするための「仕組み」として、40個の手法を紹介します。

その「仕組み」が目指すのは、

・マネジャー一人がテンパって頑張る仕事術ではなく、部下も含めた全チームメンバーで頑張る仕事の仕方であり、

・部下もマネージャーも仕事を通じ成長する、

・それでも、絶対に最良の品質の仕事をするという旗だけは下ろさない、

ということです。

「史上最凶のマネージャー」と呼ばれた過去をカミングアウトし、その苦労を乗り越えて作り上げた今回の「仕組み」仕事術には、著者山本さんの実体験による有効なチームワークの秘訣が詰まっています。それを実践すれば、部下・顧客を好きになり、彼らが仲間に思えてくるようになりますよ。

【my pick-up】

◎窓際時間管理術

部下に実力を十二分に発揮してもらうためには、部下の私生活の時間への配慮こそ優先すべきなのだ。私のやり方は、「窓際時間管理術」という方法である。要するに、窓際サラリーマンの生活を基本にしようという原則だ。働くのは月~金、9時~5時を基本にしようというもの。あくまでここを目標とする。

窓際時間を原則にすることで、残業や土日出勤は「異常事態」という認識になる。忙しいから、残業は当たり前、休日出勤も当たり前という前提にたって仕事を進めていくと、いろいろな悲劇が起きるもの。

部下の私生活上、とても大切な時間を何の配慮も、説明もなく当然のように奪ってしまおうとすることに対し、部下は、マネージャーはそういう人だと思って不信感が募る。

◎永遠の成長を目指し勉強せよ

まずは、「行動あるのみ!」。「いま、何を勉強しているか?」「この1年で何を学んだか?」を反芻してほしい。忙しいからという言いわけは聞きたくない。忙しい→時間がない→勉強できない→自分が成長しない→そんな自分を部下が尊敬してくれない→部下を120%活用するようなマネージャーになれない、そして、さらに忙しくなる。悪循環だ。

いますぐ断ち切ってほしい。いまをこなすだけの自分から決別してほしい。そうではなく、毎日1ミリでも良いから成長する。そのために、本を1分でもいいから読み、勉強するという行動を始めてほしい。きっかけさえつかめれば、「仕組み」仕事術は劇的に仕事効率を改善してくれる。だから、時間は作り出せる。

その時間を無駄にしてはいけない。自分の成長のための勉強の時とする。それによって、自分はさらに成長する。自分の成長→部下の尊敬を得る→チーム成果が改善する→さらに、忙しくなくなる→さらに勉強できる→さらに成長できる。好循環サイクルが始まるのだから。

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今年111冊目『グーグル 10の黄金律』

2011-05-26 09:25:34 | おすすめビジネス書
グーグル 10の黄金律 (PHP新書) グーグル 10の黄金律 (PHP新書)
価格:¥ 756(税込)
発売日:2011-04-21

評価  (4点/5点満点)

世界最大の無料検索エンジンを筆頭に、「グーグルアース」「Gメール」など、革新的なサービスを生み出し続けるグーグル社。社員の働き方や育て方、意思決定システムや組織形態など、学べる点が非常に多いと思われますが、これらに関する分析は意外とないのが実情です。

数少ない情報として、2005年12月に雑誌「Newsweek」に掲載された「グーグル10の黄金律」という記事があります。これは、グーグル社幹部の1人であるエリック・シュミットが同社の人材育成の要諦を示した次の10か条からなります。

①採用は全委員で、②あらゆる必要を満たせ、③一カ所に詰め込め、④調整が容易な環境を、⑤自社製品を使わせろ、⑥創造性を奨励せよ、⑦合意の形成に努めろ、⑧邪悪になるな、⑨データが判断をもたらす、⑩効果的なコミュニケーションを

この本は、グーグル社幹部のこれまでのさまざまな発言をこの「黄金律」に当てはめ、グーグルにおけるスキルや環境について考察したものです。

ちなみに、グーグル(Google)の名前の由来は、10の100乗を表すグーゴル(Googol)ですが、そのドメインネームがすでに取られていたため、スペルに手を加えたそうです。

グーグルのホームページは、検索窓と少しの単語があるだけで、他のサイトが大量の広告や画像であふれかえり、そこでのショッピングやゲームなどへと声高に誘うのと対照的です。その理由が、本書を読めば分かりますよ。

【my pick-up】

◎能率の追求が考察を排除する

20%ルールは、グーグルの日本法人でも採用されている。だが、ソニーを経てグーグル日本法人の社長を務めた辻野晃一郎氏は、自分はうまく活用できなかったという。その理由として、多忙をあげている。そして、忙しすぎることは決してほめられたことではないと述べている。

辻野氏は、忙しさが「考える」「改善する」といったことを置き去りにする傾向を「組織におけるグレシャムの法則」と呼び、「能率の追求が有効性の考察を排除する」と言っている。

イノベーションを望むなら忙しさを誇る生活からの転換が必要である。

◎事業計画を見せろと言われたことはない

グーグルの場合には事業計画など存在しないにもかかわらず、投資する人や企業が集まってきた。

根拠はビジョンと技術。ただそれだけのものが、きれいにつくられた事業計画よりもはるかに強力だったのである。

創業から5年でグーグルは成長率40万%というすさまじい成長を遂げた。それは事業計画に書けるはずもない。

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今年110冊目『仕事に効く「断捨離」』

2011-05-23 21:37:46 | おすすめビジネス書
仕事に効く「断捨離」  角川SSC新書 (角川SSC新書) 仕事に効く「断捨離」 角川SSC新書 (角川SSC新書)
価格:¥ 819(税込)
発売日:2011-05-10

評価  (3点/5点満点)

「断捨離」という言葉はすっかり有名になりましたね。

「断捨離」提唱者のやましたひでこさんが、仕事場で生きる断捨離、仕事に活かせる断捨離の考え方を紹介します。

ちなみに、「断捨離」とは目の前の事象と向き合い、一つひとつを「断」ち、「捨」て、「離」れる-このことを繰り返していくことで、レベルアップを図っていく行法哲学です。もとはヨガの〝断行〟〝捨行〟〝離行〟の思考法であり、意識を変化させるための手段として、これまで片づけ術として広く知られるようになりました。

ポイントは、目の前の事象と向き合う軸足を「今」「自分」に置くことです。そして、着地点に加えて〝着手点〟を見つけ、それを手の届くところまで下げること。すぐに実行に移すことを肝に銘じましょう。

【my pick-up】

◎「モノ主体」から「自分主体」へ

やっかいな例は、歴代の前任者から延々と受け継がれてきた資料に代表されるような、会社にとって〝重要文化財〟化している書類の数々ではないでしょうか。

私個人としての意見ですが、次のように言ってくれる上司がいたら、かっこいいなと思います。「現状、ここ何年も使っていないのだから〝捨〟ててしまおう。万が一、捨てたことで困るようなときがきたら、そのときにみんなで解決策を一緒に考えよう」

◎総量規制「7・5・1の法則」

断捨離の「7・5・1の法則」を仕事場の机まわりを例にすると、次のようになります。

①引き出しなど〝見えない収納〟は、収納可能な量の7割にまで削減する。

②机の上のペン立てや本立てなど〝見える収納〟は、収納可能な量の5割まで。

③写真立てや小物置きなど〝見せる収納〟は1割まで。

机まわりでは、引き出しが「見えない収納」、足元が「見える収納」となるでしょうか。となれば、机の上は、「見せる収納」に当たります。デスクの上は収納率を1割以下にできるかどうかで〝自己検証度〟の深さが測れると思うのですが、いかに?

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今年109冊目『理系にあって、文系にない「シンプル思考法」』

2011-05-22 18:04:06 | おすすめビジネス書
理系にあって、文系にない「シンプル思考法」 理系にあって、文系にない「シンプル思考法」
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2011-05-11

評価  (3点/5点満点)

東京大学理学部長、理化学研究所センター所長、お茶の水女子大学理事などを経て、現在は横浜サイエンスフロンティア高校のスーパーアドバイザーである和田昭允さんが、どんな問題も合理的に解決する、理系の思考法を紹介します。

そのポイントは、何が「原因」となり、どういう「結果」になるのか、その因果関係を矛盾なく辿れるようになることです。

経験や勘といった漠然としたものではなく、一定の基準やものさしを以って物事を見ていくのが、理系的思考ではないかと思っています。明確なものと対比できるから、複雑な方向に行かなくてすむようになります。

【my pick-up】

◎思考の「縄張り」を作らない

「物理、化学、生物学、地学といった自然科学の〝領域〟は、教育の便宜上作られたものだ。それにこだわっては新しい発展はない」と確信した次第です。

ところが多くの人は、便宜上の「分類」の呪縛にかかってしまって、そこから踏み出すのを躊躇してしまう。だから、境界領域は過疎地帯になり、獲物、つまり未解決の面白い問題の宝庫になるのです。

◎知識は頭の中で「遊ばせる」

先入観とは、生まれてからの経験が教える、世の中を生き抜くのに必要不可欠な知識です。

しかし、経験的なこうした分類は、理解や判断を速くするためにできたものだから、いつも正しいとは限らない。だから先入観は必要な反面、私たちの知の発展を妨げる壁でもある。

◎ときに、知識を「引用する」

「独創性」において、「まったくのゼロからの出発」は、絶対にありません。その証拠に、たとえば研究の場合に、引用文献ナシの論文など私は知りません。多くの文学・文芸作品や科学論文は、引用にあふれています。ただそれらが素晴らしいのは、知識の絶妙な収集、加工、編集に成功しているからです。

既存の概念を組み合わせて、他に類を見ない創造ができる。これが、凡人ができる独創のコツだと考えます。〝使える〟と思ったら、とりあえず〝いただいて〟おく。それがいつか、まったく別の概念と結びつくかもしれません。頭への「入力」「知の貯蓄」は多いほどよいのです。

このとき、もともと近い場所にある、つまり似た事柄や概念を並べても、独創的結合は生まれにくい。知識の間に距離がある-考えに大きなジャンプが必要である-ほうが、結合したときのインパクトが強くなる。

「自分には独創性なんてない」と、あきらめている人たちに、繰り返し言いたい-独創は「ゼロからの創出」でなく「知識の結合」ととらえればよい。独創的な「知識」とはすなわち、あなたが初めて創った「結合」なのです。そして強調したいのは、知識を組み合わせるのは、あなたが思うほど難しくないことです。

◎「冷徹な思考」に足りないものは?

理系思考の問題点は、それが人情の世界とは無縁で、非常に厳しいという事実です。

「心」を重視するには、具体的にどうすればよいのか。大事なのは、「価値創造マシン」の〝出力〟をどこに向けるかです。企業社会の一般論で言えば、自分の目先の出世よりも、部署全体の、そして会社全体の価値創造を求めたほうがよい。それも未来志向で。

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今年108冊目『「やる!」と決めたことが必ず続く24の法則』

2011-05-18 20:15:48 | おすすめビジネス書
「やる!」と決めたことが必ず続く24の法則 「やる!」と決めたことが必ず続く24の法則
価格:¥ 1,344(税込)
発売日:2011-05-17

評価  (4点/5点満点)

東京大学医学博士(東大病院特任研究員)の森田敏宏さんが、新しい習慣を続けるための正しいやり方として、「逆転の発想」の数々を披露します。ちなみに、森田さんの書籍の紹介は、『東大ドクターが教える、やる気と集中力の高め方』(2010年9月5日本ブログ掲載)に続き2冊目です。

逆転の発想の一例として、〝早く起きるためには早く寝ること〟など、聞いたら当たり前と思うが実際はなかなか考えが及ばないもので、真逆だと思っていたことが、いつの間にか正統派路線に変わってしまうことはよくあります。

著者の森田さんご自身も今や、走るのが日常生活の一部になっているそうですが、相乗効果の高い良い習慣を楽しみながら続ける秘訣を本書から学びましょう。

【my pick-up】

◎目的の手段化

あなたの目的を明確にする面白い方法をご紹介しましょう。

仮にあなたが製薬会社で営業マンをしているとします。あなたは、明日から早起きすることにしました。あなたの早起きの目的は、朝早く病院に行って、自社の薬を売り込むことだとします。しかし、これは目先の利益しか考えていない、「せこい」目的です。これでは本来の目的とは言えず、長続きしない可能性があります。

そこで、「目的の手段化」という作業をします。

あなたが目的だと思っていた「自社の薬の売り込み」を目的ではなく、手段に置き換えます。それが手段だとすると、その先にある目的は何でしょうか。それを考えてみてください。たとえば、「自社の薬によって、大勢の患者さんが救われること」といった目的が浮かんだとします。今度はその目的をまた手段に置き換えます。「大勢の患者さんが救われることが手段だとしたら、その先にある目的は何か?」と考えます。その先にある目的は、「みんなが元気で幸福な社会をつくる」といったものが浮かんでくるでしょう。

このように、「目先」の目的を手段に置き換えて、もっと高いレベルの目的を考える作業を繰り返すと、本当に目指すべき目標、目的が見えてくるのです。

◎毎日同じ時間に同じようにやる

あなたが新しく始めたい習慣、継続したい習慣は、毎日同じ時間に同じようにやるのが理想的なのです。毎日同じ時間に同じ行動をするために、1日の中で確実に確保できる時間帯を見つけましょう。そこにあなたの新しい習慣を組み込むのがベストなのです。

どうしてもいつも通りいかないときでも、習慣を継続するために必要なのは、優先順位です。その日行う行動に優先順位をつけましょう。その日の行動の中で、優先順位の高いもの、特に上位の3つは必ずやりとげるようにしましょう。

何としてもやるという決意で望むのです。

◎ジョギングの相乗効果

ジョギングの相乗効果の中でも一番良い効果は、脳の活性化でしょう。走る動作というのは一見単純に見えますが、実は複雑なのです。動き続ける中で、常に体のバランスを保ち、障害物なども瞬時によけなければなりません。めまぐるしく脳を活動させないと、成り立たない動作なのです。

ジョギングをやっていると、走っているときは当然脈が速くなりますが、逆に安静にしているときの脈拍はゆっくりになります。これはどういうことかというと、安静のときに働く副交感神経がしっかり働いていて、緊張したときに働く交感神経を抑えているということです。つまり、緊張しづらくなるのです。

また、「今度こそ禁煙する」なんて人前で公言する人もいますが、そもそも、やめるかやめないかといった当落線上のレベルで議論していては、ダメなのです。ジョギングをやるようになったら、そんなことは言ってられません。もちろんタバコを吸いながらは走れませんし、普段タバコを吸っている人は、肺活量も落ちているし、酸素を取り込む能力も低下しています。同じ筋力があっても早く息が上がってしまうのです。こんな損な話はありません。

ですから、ジョギングに真剣に取り組むなら、タバコはやめるしかないのです。やめない理由はないのです。そういうレベルになれば、禁煙なんて簡単です。

またなぜか、企業の経営者はマラソンやトライアスロンに挑む人が多いのです。いったい、なぜでしょうか?

理由の一つに、自己管理が挙げられます。企業経営者の中には若いころは銀座で飲み歩いたり、無茶をしていた人も多いでしょう。しかし、ある程度の年齢になるとそうはいきません。心身ともにきちんとした自己管理ができなければ、企業も社員も守っていけません。また、企業を経営していく過程には、さまざまな困難があります。それを乗り越えていく過程と、マラソンで困難を乗り越える過程には共通点があるようです。

さらに、いろいろな悩みも走りながら考えているうちに、いいアイディアが浮かんで、悩みが解消されてスッキリすることも多いのです。

走る習慣による数々の相乗効果、これらがレベルの高い人たちを釘づけにしているのではないでしょうか。

◎2次会に行かない

早起きのために、2次会にはなるべく行かないようにしましょう。何か理由をつけて断るようにしましょう。

2次会に行かないと保てないような人間関係は、基本的に存在しません。

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