評価 (2点/5点満点)
日本の読書は、本は、どこへ向かうのか?日本独自の流通システム、変わる書店の形、ネットの世界との関係性など、出版業界のこれまでを振り返り、読み手と本をつなぐ新たな出会いの形を模索したのが本書です。
・書店の品ぞろえがあまりにも新刊偏重で、薄っぺらで、時間的奥行きがなく、どの書店の店頭も似たような風景になっているから、読者はブックオフやアマゾンや公共図書館に向かう。
・現在の出版産業が多産多死の自転車操業状態になってしまったのは、目先のおカネほしさに新刊をジャブジャブつくって書店にばらまくということを繰り返してきたからだ。
この本の最大の問題提起は、「読書離れは本当か?」ということ。バブルの崩壊と日本経済の長期不況、郊外化と商店街の衰退、高齢化と人口構成の変化、ブックオフ・アマゾン・図書館の台頭、メディアとのかかわり方の変化によって、本はたしかに売れなくなりました。しかし、私たちは以前と変わらず本を読んでおり、ただその読んでいる本が、必ずしも書店で買った新刊ではなくなっただけのことだと指摘しています。
本好き、書店好きであれば、面白く読める1冊だと思います。