行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2009年1月17日(土)の日記

2009年01月17日 | 日記

年が明けて初めて映画を見に行く。映画館はシネカノン有楽町一丁目

南行徳駅前のマクドナルドで急いで昼飯を食べてから電車に乗り、日比谷線の銀座で降りる。有楽町マリオンを抜けたところで、有楽町駅のほうを向いて一枚写したら、ちょうど新幹線が通っていった。

エレベーターでビックカメラの上まで行くと、チケット売り場がある。

今日、見た映画はクローンは故郷をめざす

これは日本製の、クローン人間ものSF映画。クローンものというと、これまで自分が見た作品で秀作だと思うのは「スタートレック・ディープスペースナイン」の第34話"Whispers"-邦題:"オブライエンの孤立"(リンク先は公式サイトなのでみんな英語です)。これは、本物が誘拐されて、破壊活動をするために送り込まれた複製人間(クローン)の話で、異星人の高度なクローン技術で作られたので、肉体も精神も記憶も完璧に本物で、クローン自身も自分がクローンなどとは夢にも思っていないという設定。クローンは最後に殺されてしまうが、後に残す妻を心配しつつ死ぬいう切ない終わり方だった。

遠い未来あるいは近未来を描くSFも、過去の時代を描く時代劇も、どちらも作品が作られた時代とは違う風俗・習慣、社会制度、技術や価値観がある世界を描くわけだけど、その中で描くことで、人間の変わらない部分をより際立たせる。時代劇もSFも見ごたえがある作品は、そうした要素を持っていると思っている。

日本の特撮は怪獣ものやヒーローもの(ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊など)がお家芸だが、怪獣・ヒーロー抜きで登場人物のドラマを描くものがあまりない。自分が思いつくものだと、1970年代にNHKでやっていた少年ドラマシリーズのSFものがそうだろう。1985年(昭和60年)頃にNHKで「オアシスを求めて」という単発のSFドラマがあった。主演は中井貴一だった。月面に都市があり、ガンダムにも出てきた円筒形のスペースコロニーが地球の周りに浮かんでいる未来の時代が舞台の話。なかなか面白かった。NHKということもあってか、見終わったときの印象は、かつての、低予算でセットも(タイムトラベルの場面などの)特撮もチャチだった少年ドラマシリーズを、予算を増やしてグレードアップした作品というのだったが。だけど、同じような作品がその後、作られていないのだから、あまり一般受けはしなかったのだろう。

怪獣・ヒーローの出ない特撮だと、昭和40年代中ごろに円谷プロが「マイティジャック」を作っているし、昭和50年代半ば、アメリカの「スターウォーズ」や「未知との遭遇」がヒットしてSFブームが起こったときは、これも円谷プロが外国SF小説を原作に「スターウルフ」を作った。だけど、どちらも成功はしなかった。

自分が中学から高校のころ深夜時間に再放送していた「スタートレック」を見るようになり、日本の作品でも特撮を前面に押し出さず、登場人物たちのドラマをじっくりと描くSFが見たいと思うようになった。だけど、そうしたもので満足できるものはなかなか出てこない。アニメだと「宇宙戦艦ヤマト」が怪獣・ヒーロー抜きで人物中心のドラマ。もっとも、波動砲という超必殺武器をぶっ放すヤマト自体にヒーロー性があるわけだけど。ほかにアニメだと、「機動戦士ガンダム」を初めとしてロボットアニメの制約の中で、人間ドラマを描くようになっていった。

だけどその一方で、日本人が作る実写・特撮作品での本格的なSFものを見たいという欲求は、約30年にわたって自分にずっとあった。今回の「クローンは故郷をめざす」は公式サイトやパンフレットを見て、そうした自分の欲求を満たしてくれるものではないかという期待があったのだ。

パンフレットの宣伝文句に、
クローン人間を通して描く、究極の人間愛のかたち
と載っていたので、これは期待できるのではと思った。宣伝文句はしばしば、大げさになりがちなことは分かっているが、期待したのは、本格SFへの欲求があったからだ。

実際に見てみたら、これまで自分が見た作品の追随を許さないような大傑作というわけでは別にない。映画もお客さんに入ってもらって制作費を回収しなければならない商売としての部分があるわけだから、「究極の」といった大げさな言葉で宣伝せざるをえない事情もあるだろう。だけど、その「究極の」はやはり、かなり割り引いて受け取ったほうがいいようだ。

でも、満足できなかったわけではない。特撮場面は地球の衛星軌道上にある宇宙ステーションで及川光博演じる主人公が宇宙服を着て船外活動する場面ぐらいに抑えて、登場人物のドラマ中心に描いて見せてくれ、それも見ごたえがあったのには満足。日本人が作るSFも、ようやくこうした作品が登場するようになったという感がある。

どうしても引っかかった部分としては、主人公が宇宙ステーションの船外活動中に起こった事故というのが一体何なのかよくわからなかったり、宇宙服が大気圏突入でも燃えずに地上に落下していたり、そのほかにも不可思議な場面が出てくること。死んだ本体の魂とクローンが共鳴現象を起こすということを唱える老科学者が、「不可解な現象」というセリフを口にする。それでみんな説明しようというのかもしれない。共鳴現象というのは大きなエネルギーを発するから。そうだとしても、無理があると思えた。

 

夜はジャズライブのHot Houseへ行く。

土曜はボーカルが入る日。今日のボーカルは清水朝香さん。ピアノは松井節子さんで、ドラムは鈴木直勝さん。

そして、ライブ出演者の予定にはなかったが、サックスプレイヤーの臼庭潤さんが店に遊びに来て、1stステージと2ndステージに参加した。

初めて会う人なので、どういう人かは全然知らなかったのだが。

店のサイトにはママさんが書くブログが開設されている。昨年10月末に亡くなったサックスの郷間和緒さんにまつわる思い出話を徐々に書いていくそうだ(それ以外の話題もいろいろと書くそうだが)。これまで聞いたことのない話なので興味深い。これからが楽しみ。

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