日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「友だちの友だち」。

2011-05-10 17:58:40 | 日本語の授業
 曇り。午後からは雨になるそうです。だからでしょう、ネットリと空中の水分がまとわりついて離れません。

 さて、学校です。
すっかりひらがなカタカナを忘れていた…来校した日です…内モンゴルの二人は、連休を利用して、取り戻せたようです(ひらがなとカタカナ)。居残り組にはなっていませんでしたから(とはいえ、今日のチェックがすむまで安心はできませんが)。

 授業は、九時始まりの午前のクラスなのですが、彼らは今日も八時半前には来ました。これを毎日続けるとなると…。いえ、まず第一、続かないでしょう。今はアルバイトが見つかっていないからできるのであって、アルバイトが始まったら、たぶん…。

 というわけで、彼らが帰る時に、在校生の夫婦に、彼らの部屋を見せてくれるように頼みました。できれば、同じアパートに、それができなくても、その近くに見つけられればいいと思って…。

 すると、頼んだ、その女学生が、「この人たちは、今年卒業したNさんの友だちの友だちです。Nさんから電話があって、お願いねと言われているから、先生、大丈夫。心配しないで」と言ってくれました。

 どこでどうつながっているのかわかりませんね。けれども、これで一安心です。

 留学生というのは、特に日本語学校で日本語を学んでから、進学することを望んでいる人たちは、まず日本語が話せませんから、いろいろな方面で学校側が面倒をみてやらなくてはなりません、最初は。しかしながら、同じ地域から来ている人とか、同じ国から来ている人達が続きますと、その人たちが、次に来た学生たちの面倒をみてくれるようになります。

 生活面でも、そして課外活動の時でも、そうです。それがいい意味でつづくようになりますと、教師の方は、授業だけに精を出せばいいことになりますから、こちらの方でも万々歳なのですが、まあ、なかなかそういう流れは続きません。こういう小さな学校では、二三年で、一度途切れるというのが普通なのです。それで、というわけでもないのですが、常に生活面での指導に追われるということになります。

 それに、この学校では、小さいといいながらも(三十人余り)、今年は9カ国から(多い時は15カ国にもなる時があります)来ているのです。共通語というのは日本語だけですから、日本語が速く上手になってくれなければ、お互いに大変なのです。なにせ中国語も英語も通じない人たちが少なくないのですから。

 初級の教科書で、彼らの母国語と対訳がでているものなら、基礎的な言葉はそれを拾いながら説明していくこともできるでしょう。が、それもない場合は、辞書を利用するしかありません。けれども、正式の辞書もなかなか買えないような場合には旅行書を用い、単語を捜しながら彼らと会話していくということになります。

 それでなくとも、学生が入れ替わる度に、(彼らの目的が違いますから)資料の作成に追われているのに、またこういうことにも追われてしまうと、ちょっと待ってよということになります。それぞれの学校が背負える「程度」というのがあるのです。

 私たちも、日本で技術や知識を習得したいと、まじめに考えている人になら、大きく門戸を広げたい。けれども、日本人的道理、あるいは倫理が通じなければ、それは土台無理というもの。

 まあ、これも、少しずつ、おさまってきましたが。

日々是好日
コメント
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