ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

「諸君、この世は退屈だ!」~ぐうたらの効用

2019年11月28日 06時33分31秒 | 本の中から
ゴーゴリの小説に「イワン・イワノウィッチとイワン・ニキフォロウィッチが喧嘩した話」という長い題名の短編がある。
ずいぶん昔に読んだので内容はすっかり忘れたけど、この題名と最後の言葉は今でも覚えている。
それが「諸君、この世は退屈だ!」。...
そして自分自身もこの言葉のようにこの世を感じて生きてきた。
この世は退屈だ!と思う人にはどうやら2種類あるらしい。
一つはオブローモフ的にぐうたらに生きる人。
(このぐうたら百姓のように・・・)
もう一つは、「面白きこともなき世を 面白く・・・」と、
 高杉晋作のように活動的にすごす人。
 前者は怠け者、後者は革命家。
革命家は革命を成し遂げてもそれに満足することはない。
革命後に樹立した政権に入ってもすぐに退屈して、新たに革命を求めたり、内乱を起こす。
チェ・ゲバラのように、あるいは西郷隆盛のように。
もし革命家が政権に固執して権力の座にとどまったら、さらに不幸だ。
独裁者となって内部革命を粛清を繰り返す。
毛沢東やスターリンのように。
もし高杉晋作や坂本龍馬が長生きしたら、きっと明治政府の中に自分たちの居所を見つけることはできなかっただろう。
そして明治政府には(卑しい?)実務派だけが残った。
これが革命家や武闘派の運命かもしれない。
 豊臣政権の末期、官僚の石田三成が重用され福島正則や加藤清正が駆逐されていったように。
いえいえ、こんな話ではなく、「この世は退屈だ!」の話だった。
革命家は新しい時代をもたらすがそれ以上に大きな犠牲をもたらす。
 革命家がいる世界よりもぐうたら人間ばかりの世界の方がよほど人々は幸せだ。
そう、
 「諸君、この世は退屈だ!」
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