ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

長崎(12)~高島(1)

2016年09月23日 03時02分11秒 | 長崎


伊王島で乗客の半分以上が降りて、いよいよ船はこの高島に着いた。
伊王島は帰りに寄るので、まずは高島に上陸。

長崎の港を出ると、
高鉾・・・鼠島・・・神の島・・・香焼・・・伊王島・・・高島・・・端島、と魅力的な名前の島が続く。
でも高島、端島となると、きっと名前をつけた人もいい加減疲れたのだろう。
高島は低い山しかないけどそれでも高島。
端島に至っては単に一番端の島というだけ。
端島はもともと岩礁、島でさえなかった。
それが軍艦島という名前をもらって全国的に有名になった。
*実は高島と端島の間にもう一つ小さな島がある、それは中の島。
 全国どこにでもある、大島・小島・中の島の中の島。
 実にいい加減なネーミング!

この端島を過ぎるともう島はない。
(それでもあえて、勇気をふるって、真っすぐに、ひたすら真っすぐに、ただ真っすぐに、西に進むと、やがて長崎の島や半島が見えなくなる頃、西の方に、五島の島々が見えてくる)
今は船でも高速船だと五島は近いけど、昔遣唐使は小さな帆船で長い時間をかけて五島に渡った。
でもまだそこは日本、まだ日本。
そこからさらにさらに大海原を超えて唐に渡った。
どれほど心細かったことか・・・

さてところで長嶝の港外の島、香焼・伊王島・高島・中の島・端島はみな炭鉱の島。
そして今ではみな廃坑になっている。
炭鉱で働く人というと、なんか貧しい!かわいそう!というイメージを持つ人多いだろうけど、
じつはとっても豊かだった。
山田洋二監督の「家族」という映画では確か伊王島炭鉱で働いてる人が暮らていけなくなって北海道に移住する、というストーリーだった。
でも炭鉱は給料が高かったので、島では当時まだ全国であまり普及していなかった三種の神器、テレビ・冷蔵庫・洗濯機などがいち早く普及した。
それで長崎市が猫なで声で、「ねえ、いっしょにならない?」と誘っても
「知らんもんね~!」と相手にしてくれなかった。
そしてエネルギー革命がおこり、時代は石炭から石油に代わる。
香焼、伊王島、端島、最後に高島も閉山した。
このときさすがに高島の島民はあわてて長崎市に「ねえ、いっしょに入れて~」とお願いしたけど、
長崎市は「知らんもんねぇ~」(あんなに今まで誘ったのに!)
こうして高島の人たちは次々に離島して、日本で一番人口の少ない町になった。
そうしてようやく長崎市に入れてもらった。

高島は端島と違って無人島ではない。
面積も端島ほどに狭くなく、炭鉱施設やアパートなどが密集してるわけでもない。
香焼は埋め立てられて新興住宅地や三菱重工の巨大な造船所がある。
伊王島には橋がかかって、リゾート地としてにぎわっている。
端島は超密集した独特の景観で世界産業遺産として多くの観光客がやってくる。
でも・・・高島は・・・
きれいな海水浴場や宿泊・入浴施設などはあるものの、伊王島、端島とくらべてすべてが中途半端。
観光にリゾートに生きていこうという気持ちはわかるけど、苦労してるなぁ~とも思う。
でもそれでも観光客は来るのだ。
船の乗客の半分くらいは高島まで行った。
(そのほとんどは外国の観光客、あるいは多分日本に住んでる外国人のリゾート客)
無人島の端島、すっかりリゾートの島になった伊王島と違った魅力をもっとアピールしたらどう?
伊王島や端島のまねをしてもつまらない。
高島はまだまだ観光地として未開発、そこが魅力だ。

高島を貸自転車で1周してぼんやり次の船を待っていた。
そんな時、何かもう一つ欲しい!
美しい海、きっととれたての海産物は美味いだろうなぁ~
そんな海産物を肴に海を見ながらビールを飲みたいなぁ~
伊王島のまねしてリゾートの島にするのでなく、グルメの島、
たまには、高島で美味い物食べたいなぁ~!
そんなことを思わせるような島になってほしい・・・


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