ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

オロナインとメンソレータム

2006年06月03日 06時04分29秒 | 田舎暮らし
家庭の万能薬というとオロナインとメンソレータム。
たいていの家庭ではこの万能薬に全幅の信頼を寄せて、なんにでも使う。
昔はがまの油、そして今ではオロナインかメンソレータム。
とにかくこれを使うとたちどころに治る・・・ような気がする。

人は3種類に分類できる。オロナイン派かメンソレータム派かどちらでもないか。
オロナイン派はオロナインこそ万能薬だと信じているし、
メンソレータム派は「オロナインなんて!」と思う。
いったいどちらが万能薬だろう?

効能を見よう。
 オロナイン~にきび・吹き出物・はたけ・やけど・ひび・しもやけ・あかぎれ・きず・水虫・たむし・いんきん・しらくも
まさに万能薬!
一方メンソレータムは
 メンソレータム~ひび・あかぎれ・しもやけ・かゆみ
ずいぶん控えめだ。これではオロナインのほうが万能薬だとみな思うだろう。
だが、ちょっと考えるとそうでもないことに気づく。
本当に万能薬だったら、一言「万能薬」と書けばすむことだ。
効能をたくさんあげることは逆にそれだけしかきかないということでもある。
本当の愛好家は効能に書いてないことにも使って新しい発見をすることに喜びを感じる。
口内炎や捻挫はもちろんのこと頭痛のときはこめかみにすり込み、
腹痛のときは腹に塗りたくって、頭痛や腹痛を治す。
さらには骨折を直したという報告さえある。真偽のほどは定かではないが・・・。

とはいえオロナインとメンソレータム、これほど違うものもない。
オロナインを販売しているのは大塚製薬という東京の大手の会社。
テレビコマーシャルでも宣伝して、大々的に売りだしている。
「オロナインH軟膏」という正式名称も、「オロナイン」で若者を。「H」で外国人を「軟膏」で年寄りを、狙っている。
さらに「H」でその筋のいかがわしいことにも効くことを匂わせている。
チューブに入れて、そんじょそこらの薬と変わりなくして、大衆受けを狙った、いわば薬界の「巨人」といえる。

一方、メンソレータムはもとは滋賀県の近江兄弟社というどちらかというとマイナーな会社が販売していた。
それが経営破たんか何かして、大阪のロート製薬が扱うようになった。宣伝も大してすることもなくマイナーに徹している。
入れ物もいまどき珍しい缶入り。そこに昔風な子供の顔がのせてある。このようにメンソレータムはいわば薬界の「阪神」といえる。

というわけでオロナインとメンソレータムとどちらがいいか、という問題は巨人と阪神とどちらがいいか、というのと同じで、いつまでも決着がつかない。
ただ田舎では、やっぱりメンソレータムを愛用したい。
無人駅のベンチで土地の老人会が寄付した手作りの座布団にすわり、腕をぽりぽりかきながら、風呂敷からメンソレータムの缶を取り出して塗る。
これこそ田舎の正しい治療法なのだ。
コメント (8)
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