イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「仏教の常識」読了

2013年11月18日 | Weblog
ひろさちや 「仏教の常識」読了

釈迦が説いた悟りを開くためのプロセスは以下のような流れになるそうだ。
まずは人が苦しむという現実を認識すること。
これを四諦という。
四諦とは、
苦諦
集諦
滅諦
道諦
であり、
そしてその苦しみを克服するための修行法が八正道。
正見
正思
正語
正行
正命
正精進
正念
正定

著者の説明では、この八正道を実践しようすると普通の生活が送れない。たとえば「正語」、僕は小売の仕事をしているが、物を売るためには少しはお客さんをおだてて、「よく似合いますヨ。」なんて言う事もあったのだが、これがダメだ。正語とはお世辞や嘘を禁じる修行だ。
八正道はもとも小乗仏教、出家者の修行法で在家の一般人には六波羅蜜が用意されている。

布施
持戒
忍辱
精進
禅定
智慧

これなら少しは実践できそうなのだが、煩悩や欲望がどうしても断ち切れない。だから親鸞は、そんなものを気にするな。煩悩や欲望はもっていて当たり前でそれを気にするからダメなんだ。気にしなかったら煩悩や欲望でなくなるのだ。と説いてくれた。実際、親鸞は出家僧で始めて結婚した人だそうだ。
その考えが、「中道」。

ついでに、自分にふりかかる不幸や災難は自分の前世、はたまた未来にかかわる縁起、因縁としてあきらめておけばいいんだ。
仕事が終わって電車に乗ろうとしたら、10分前に自動車がどこかの高架にぶつかって不通になってしまった。というのも僕の何かの因縁なわけで、持って行きようのない怒りにさいなまれる前にあきらめればいいんだ。(これは本当の昨日の話だが、ちょっとイライラしたことがあって、上司と顔を合わせるのが嫌で事務所に近づかなかったら、帰り間際になって印鑑を押さなきゃならない書類がいっぱい出てきたのでそれを一生懸命押していたら会社を出るのがほんの2、3分遅くなってしまった。それがなければ僕はこの事故が起こる前の電車に乗れたのだ・・。)



というこなのだろう。

今、日本で一番唱えられているお経は般若心経だそうだが、これは「空」の教えを説いたものだ。般若とは六波羅蜜の「知恵」と同じ意味であり、最終的には「中道」に集約される。
ということは、最高の知恵は“気にしない”ということに行き着くようだ。
そういえば、一休さんもコマーシャルの前に、「気にしない、気にしない。一休み、一休み。」と言っていた。
まさしく、これが一番大事だと、小さな悟りを得ることができた1冊だ。

コメント
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