鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

意外なところで”女”を下げた緒方貞子JICA理事長

2009-11-25 | Weblog
 24日は東京・市ヶ谷の国立印刷局センターで開かれている政府の行政刷新会議の「事業仕分け」を覗いた。先々週から先週にかけて5日間の前半に続いて、後半4日間の幕開けで、前半で培ったノウハウをもとに各事業にどう取り組むか、との興味もあった。午前9時半開始にやや遅れて駈け付けると、会場は超満員で、立ち見の人がぎっしり、といった感じだった。午前中は防衛庁の広報事業と国際平和協力センターについて聞いたところ、東京・目黒にPKO(国連平和維持活動)のための教育センターを新設するという事業はあっさりと「廃止」と決まった。
 午後は22年度要求予算1508億900万円と巨額な金額の外務省所管のJICA(国際協力機構)への運営費交付金を聞いた。世界150カ国へのODA(政府開発援助)を行っている実態が明らかにされたが、冒頭JICAから理事長は緒方貞子氏が務めているとの説明があった。技術協力や開発援助、青年海外協力隊の派遣などを幅広く行っているが、青年海外協力隊の応募状況、選別法、職種など仕分け人からの質問に的確に答えられないどころか、杜撰な選別法や管理状況が明らかんとなってくるにつれ、会場からは失笑が起きていた。
 あまつさえ、活動実態がよくわからにJICA研究所や年間500億円にものぼる委託研究が日本工営など一部の企業に随意契約で発注されている親方日の丸ぶりが明らかとなるに及んで、仕分け人から厳しい叱正の声が飛んだ。基本的な数字さえ掴んでいない職員の仕事ぶりに呆れる声すら出るに及んで、JICAの事業を抜本的に見直さないといけないっとの結論となった。仕分け人の最終評価では研究・研修費は30%削減、技術協力は見直しとなった。
 続いて行われたJICA1664人の人件費など業務経費についてはJICAの給与水準が国家公務員の最高ランクにあることとが明らかとなり、海外出張費、滞在費が外交官に準じて決められている実態も明らかとされ、再び会場のどよめきを誘った。評価では給与水準をラスパイレス指数100(20年度実績で133)にまで下げることを含め「見直し」との結論となった。
 途中の仕分け人の質問で緒方JICA理事長の年棒が2216万円もあることが明らかとされ、杜撰な業務運営を行っているJICAの理事長の緒方貞子なる人物の人となりが暴露された。緒方貞子さんはかつて東京都知事選の候補者にされるほどできる人との評判が高い人であったが、その実態は意外と知られていない。JICAそのものは事業仕分けの行われている国立印刷局センターのすぐ隣にあるビルに本拠を構えている。そのお膝元で、JICAのいい加減さが暴かれ、理事長の緒方貞子さんが実は名前だけのお飾りでしかないことが白日のもとになった。緒方さん自身はそんなことになっているとは露感じてはいないことだろう。
 冒頭、JICAの職員が「当独立法人の理事長は緒方貞子である」とまるで免罪符のように述べたことが却って仇となった。JICAの職員はこれまで国会議員らに対して自らの事業内容を説明することなどついぞなかっただろうから、慣れていなかったかもしれないが、だれに対しても自らの行っていることをきちんと説明するのは人としての基本である。その基本ができていないことが、緒方さん本人も知らない意外なところで、”女”を下げたことにつながった。これも緒方さん自身の身から出た錆といえなくもない。
 家に帰ってNHKテレビのニュースのトップで事業仕分けを報じていたが、緒方さんへの配慮がったのか、JICAは国の直接の機関でもないからか、ほとんど触れられていなかった。ニュースでは鳩山首相が仕分け会場を訪れたことを報じていたが、中に入り込んでいて、少しも気付かなかった。それだけ集中していたのだろう。
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