鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

姉妹の愛情を謳いあげた佳作「イン・ハー・シューズ」

2009-11-05 | Weblog
 NHK衛星放送で放映した「イン・ハー・シューズ」を見た。キャメロン・ディアスが自由奔放な女性を演じ、好きな女優のシャーリー・マックレーンが出演していることもあって、惹きつけられてみてしまった。イン・ハー・シューズとは自分なりのやり方でという意味だそうで、その通りにに生きる主人公の生活を象徴しているが、タイトルを見ただけではなんの映画かわかりにくいのが今風なのかもしれない。
 「イン・ハー・シューズ」は米国の都会に住む主人公が家賃も払えないような状態になり、継母のいる実家を嫌って、弁護士でやり手の姉のアパートに転がり込む。次の仕事が見つかるまで、といいながらなかなか仕事が見つからず、姉は次第にストレスを募らせていく。で、ある日、留守番をしていると、姉のフィアンセが訪ねてきて、ベッドインしてしまい、その最中に姉が帰ってきて現場を押えられてしまう。怒った姉は堪忍袋の緒を切って、妹を追い出してしまい、フィアンセとも別れてしまう。
 途方にくれて、行き場を失った妹は姉の家の抽斗にあった祖母からの手紙が封も切らずに置いてあったのを思い出し、祖母のいるフロリダ州マイマミに行く。祖母は老人ホームの住人兼ヘルパーのようなことをしており、突然現れた孫の扱いに戸惑う。そんなことにはお構いなしに老人ホームのなかで、主人公はピチピチした肉体を惜しげもなく見せつけて一躍、人気者となり、すっかりご機嫌となる。
 一方、妹とフィアンセを失った姉は弁護士としてのキャリアも捨てて、やる気を失い、妹の行っていた犬の散歩をしながらフリーターのような生活をしている。そんな折りにかつての弁護士事務所の同僚に会い、同情されて食事に誘われるが、いまひとつ気が乗らない。
 姉妹の母親は父親との仲がうまくいかず、10数年前に交通事故で亡くなっているが、実は自殺だったことが判明する。そんな母親を育てた祖母を嫌って、父親は一切、姉妹との接触をさせず、死んだと思わせていた。そうした事情を知ってか、知らずか、主人公は姉との話も一切告げず、仕事を見つけようともしない。姉に会いたい、と持ちかけても手紙すら書こうともしない主人公に業を煮やした祖母は自ら姉に手紙を書く。
 姉は落ち込んではいるが、徐々に生活のペースを取り戻し、新しい恋人も見つかるが、妹とのことがひかかって恋人との仲もスムーズに行かず、遂に衝突してしまい、せっかく整いかけた婚約も破棄寸前となってしまう。思い余って、祖母を訪ねると、そこに妹がいるのを見て驚く。
 思いがけにあ再会を果たした姉妹は最初はぎこちない会話を繰り返すが、そのうちに打ち解けてきて、姉は婚約が破棄寸前だ、と実情を訴える。そこで、主人公は姉の恋人に電話してフロリダに来るように言う。予想外の展開に驚いた姉は恋人に真実を打ち明け、めでたく結婚となる。となると、お決まりのハッピーエンドで、姉の結婚式で、祖母は父親と和解し、幕となる。
 タイトルにシューズがあるせいか、姉のセレブな生活を表すのに豪華な靴箱が出てきたり、結婚式に祖母が姉に40年前のハイヒールをプレゼントしたりと、随所に靴のシーンが出てくきたのは愛敬だった。姉妹の愛情を思い入れたっぷりに謳いあげた佳作とみた。
 
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