鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

赤坂の街を活性化したいとピアニストがコンサートを開いた

2009-11-04 | Weblog
 3日は友人の誘いで、東京・赤坂の草月ホールで開かれた谷村清なるピアニストのソロコンサートに行った。赤坂にあるピアノバーのピアニストが古希を迎えて初めてのソロコンサートを開いたもので、ピアノバーのお客らを中心に200人ばかりが応援に駈け付けた。企画・構成・演出もずべて谷村氏の手になるもので、ゲストに三味線の杵屋裕光や赤坂の芸者らが出演するとあって、ロビーには色っぽい着物姿のきれいどころが多くつめかけ、通常のコンサートとは違う華やいだ雰囲気に満ちあふれていた。
 コンサートはピアニストが日頃、弾きなれている映画音楽の「ライムライト」から始まり、「ドクトル・ジバコ」まで15曲ばかり演奏され、途中、テノール歌手の榛葉樹人らの歌が入り、それなりに聴けた。いずれの曲もどこかで聴いたことのあるものばかりで、ワイン片手に聴けば丁度いい音楽だった。
 後半は三味線の杵屋裕光、それに赤坂の芸者の横笛と女流の鼓打ちが加わって、ピアノとのコラボレーションで楽しませてくれた。まず「ラ・クンパルシータ」から始まり、「リベラルタンゴ」「エル・クンパチェロ」を合奏した。以前に「題名のない音楽会」でも歌舞伎のお囃子とピアノとのコラボレーションを聴いたことがあるが、和と洋の調和がうまく図られていて、なるほどと思わせた。特に杵屋裕光の三味線は絶品で、プラグラムになかった歌舞伎の荒技で使われる曲を華麗な撥捌きで見せてくれた。正面をピタリと見据えて三味線を見ることなく弾くのは修練の賜物だろう、と思わせた。
 あとは前半に出演したテノール歌手らが歌って、場を盛り上げた。最後にピアニストの奥さんを壇上に上げて、「トゥルーラブ」を弾き、花束を贈呈していたのは愛嬌だった。ピアノバーのピアニストなので、無理なのかもしれないが、クラシックのラフマニノフか、ショパンの楽曲がひとつでも入っていたら、また違ったものとなったのに、と惜しまれた。
 ピアニストが冒頭、言っていたが、赤坂に立地するピアノバーで赤坂の地域をなんとか盛り上げたい、との一心から今回のコンサートを企画したということで、赤坂に関係する歌手、演奏者らのゲスト出演をお願いした、という。ささやかな試みかもしれないが、こうした試みの積み重ねが街を活性化させていくのだろう、と思った。
 知人は赤坂に事務所を持つ知人からチケットをもらったもので、直接、ピアニストと知り合いというわけではない、と言っていた。これも音楽を底辺で支える人の普及活動といえるのかもしれない、とも思った。
コメント (1)
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