吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』

“A Quaint Town(古風な趣のある町)・ Tsuyazaki-sengen”の良かとこ情報を発信します。

2010年2月24日/〈日記〉382・「メダカのいない小川」なんて

2010-02-24 02:29:29 | 日記
写真①:パワーシャベルも持ち込まれ、工事が本格化した農業用水路
     =福津市的岡で、2010年2月23日午後5時撮影

 ついに始まったか――。散歩の途中に観察するのが楽しみだったメダカの棲む素掘りの水路で、三面コンクリート張り化に向けた「水路整備工事」なるものが本格化していました=写真①=。

 福津市的岡にある畑の周囲の小さな農業用水路です。「ここにメダカがいるのよ」。09年のある日、ご近所の奥さんに教えられ、「えっ、野生のメダカは津屋崎でもほとんど絶滅状態なのでは? 飼育品種のヒメダカが放流されているのかも」と半信半疑で水路をのぞいてみて、その小さな群れを見つけ、目を見張った瞬間の感動が胸の中に残っています。

 私が小学生の昭和30年代は、津屋崎天神町の「新川」や津屋崎小学校近くの素掘りの農業用水路にも、メダカやドジョウが棲んでいました。野草の茎の先に結びつけたミミズを餌にメダカを釣り上げ、喜んだ子供の日々を思い出します。平成の今、メダカ釣りができない津屋崎の子供たちは、かわいそうです。

 さて、この「水路整備工事」は3月25日までに終了とか。2月18日午後、メダカが棲んでいた農業用水路そばに、「水路整備工事」の区域を示す板やポールが立てられているのに気付きました。この辺りは、カワセミやコサギなどの野鳥も飛び交う餌場にもなっています。

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写真②:メダカが棲んでいた農業用水路に設置された「水路整備工事」の区域を示す板
     =福津市的岡で、2月18日午後3時50分撮影

 福津市福間地区の西郷川水系では、淡水魚の生息環境の維持にも配慮した自然に優しい工法による河川整備工事が進められています。しかし、津屋崎地区の小さな素掘りの農業用水路で目立つのは、三面コンクリート化による「水路整備工事」です。水路の底に砂がなくなっては、メダカ(環境省レッドデータブック「絶滅危惧Ⅱ類」指定)やニッポンバラタナゴ(同「絶滅危惧ⅠA類」指定)は生きていけないでしょう。

 小川の底がコンクリート張りになったら、ドジョウの潜るドロ土はなくなってしまうし、カワセミが巣作りする護岸の崖土がコンクリート壁の護岸工事で「整備」されたら、カワセミは繁殖の場を奪われます。魚や野鳥など生物のいない自然になって、人間だけが便利に生きる環境に未来はあるのでしょうか。「メダカのいない小川」なんて、ギスギスした世の中になっていく負の遺産に見えます。
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