写真①:住宅の路地の奥に建っている小さな「大師堂」
=福津市津屋崎裏町で、2007年7月28日午前10時40分撮影
〈津屋崎千軒・町歩きスポット〉 7
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裏町の「大師堂(薬師堂)」と庚申塔
福津市津屋崎裏町にある住宅の路地を南に入ると、小さな「大師堂(薬師堂)」が建っています=写真①=。昭和59年10月に建て替えられ、「宗像四国西部二十二番霊場」になっています。本尊は、薬師如来です。
旧津屋崎町(現福津市)が平成10年に発行した町史民俗調査報告書『津屋崎の民俗(第三集)』の〈岡の二・三〉によると、〈裏町の一八軒のクミ内でお世話をしている。毎月二十日におばあちゃん達が集まってお経をあげ、茶飲みをしている。(中略)昔、大災害があったときこの大師堂があったので、このあたり(裏町)は焼けなかった。お大師様が守ってくれたということで大切に祀っている。(中略)大師堂は町内の土地になっている〉という。
大師堂の前の住宅敷地には、「庚申尊天 天明五癸卯年」の文字が彫られた石碑が建てられています=写真②=。室町時代から各地に建てられ始めた〈庚申塔(こうしんとう)〉で、この「庚申尊天」の塔は、江戸時代中期の天明5年(1785年)8月に建てられました。全国で〝天明の大飢饉〟(1783-88年)があった時です。『津屋崎の民俗(第三集)』の〈岡の二・三〉には、〈所在地 裏町大師堂横 倉元宅庭〉として、〈毎月一日に塩と米をお供えする。倉元家が祀っている〉と書かれています。
庚申は、60年あるいは60日ごとにめぐってくる干支の一つ・「庚申(かのえさる)」の時に、夜眠らずに過ごさなくてはならないなどの特殊な禁忌を求める民間信仰。庚申の神は恐ろしく、非常に祟りやすいともいわれています。〈庚申塔〉は、津屋崎千軒に38基残っているといわれています。
写真②:大師堂の前の住宅庭に建てられている「庚申尊天」の石碑
=福津市津屋崎裏町で、7月28日午前10時40分撮影
福津市津屋崎裏町・「大師堂」位置図
(ピンが立っている所)
◇あす30日9時から第2回
「町歩きガイド研修」
奮ってご参加下さい
30日午前9時に「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」を出発し、津屋崎古小路の波折神社などを巡る第2回「町歩きガイド研修」を行います。終了後、『藍の家』で第2回「町並み回遊マップ」検討会議を開きます。28日の第1回「
町歩きガイド研修」に欠席の方はぜひご参加下さい。
◇お知らせ
福津市・〈津屋崎千軒〉通りの活性化を目指す
「津屋崎千軒 海とまちなみの会」は、「
津屋崎千軒新聞」第2号の「夏」号を2千部発行、市内の下記の場所「町歩きガイド研修で市民に無料配布しています。
▽「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」▽津屋崎公民館▽カメリアホール▽宮司コミュニティーセンター▽市立図書館▽ボランティアハウスふくま▽市中央公民館▽ふれあい広場ふくま。
▽
ご入会案内=「海とまちなみの会」は、07年2月16日に設立しました。会員は、福津市津屋崎と市内外の20代から90代までの男女51人です。〈津屋崎千軒〉通りの古い町並みの保存と、海辺の自然保護を図ります。ご入会(一般会員、賛助会員=会活動に賛同し、例会出席は不要=とも年会費千円)申し込みは、会長の吉村勝利(〒811-3304 福岡県福津市津屋崎369-14。E-mail:yosi3019@sage.ocn.ne.jp)が、お受けしています。年会費などの振り込みは、西日本シテイ銀行福間支店(店番214。℡0940-42-1231)の普通預金口座(名前:「津屋崎千軒 海とまちなみの会 会長 吉村勝利」、口座番号1304781)をご利用下さい。
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例会案内=8月23日(木)19時、『藍の家』。