とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2014南伊豆みちくさウルトラマラソンツアー:1日目(後半)

2014-11-17 21:01:53 | マラソン
石廊崎から、5キロほど進むと奥石廊崎に到着する。石廊崎の名前は知っていたが、奥石廊崎があるのは知らなかった。この岬は、「あいあい岬」という愛称で呼ばれる展望スポットで、石廊崎と並ぶ南伊豆の景勝地になるそうだ。日中は、断崖に白波が砕ける雄大な景色を楽しめ、日没時は夕日が空や海、断崖を茜色に染め、大小さまざまな島をシルエットにして水平線に沈んでいく魅力的な光景を見ることができるという。特にこの日は強い西風が吹き荒れ、押し寄せる波が激しく断崖にぶつかり、地響きを立てて砕け散る様子は迫力満点である。




丘の上には「愛の鐘」がある。以前木製のモニュメントだったらしいが、最近リニューアルされ円形の御影石(直径1.8メートル)を使ったオシャレなモニュメントになっている。


奥石廊崎を過ぎると、海岸の景色はなくなり内陸部に入っていく。30キロのエイドでは、猪汁やところてんが出されていた。


徐々に山間部の道になっていく。


長者ヶ原山ツツジ公園への道は、長い登り坂だ。この大会では、長者ヶ原山が最高標高点となり、一番きつい坂道だ。行きは、らくらくコースとなっていたが、思ったほど楽ではない。


頂上は、広々としており、北側には富士山がうっすら見えていた。伊豆半島では、ここが富士山の見える南限だ。この長者ヶ原には12.000本の山ツツジが自然のままに群生していて、4月下旬から5月上旬には、丘陵一面が朱色に染まりそれはまた見事な景色になるそうだ。




帰りは、健脚コースを下って行く。前方には、キラキラと海が光って見えている。


内陸部が終わり坂を上がりきると、再び海岸線が見える場所にやってきた。ここは「喚声台」と呼ばれる場所だ。重厚な筆触で具象絵画を画いた大正末から画家として活躍した林武画伯が、この景色を見て思わず喚声をあげたことからこの名前が付いたそうだ。中央にあるのが、南北に100mに及ぶ標高61mの宇留井島だ。私も、林武画伯のように思わず喚声を上げてしまうほどの素晴らしい景色であった。


喚声台を過ぎると、波勝崎への道に入っていく。波勝崎といえば、東日本最大の野猿公園の波勝崎苑が有名である。ところが、波勝崎苑に行くまでもなく、道路の真ん中に野生猿が座っていた。刺激しないようにそおーっと横を通り抜けて行く。その後も、道端で数匹の猿を見かける。


この先が、約400匹の猿が放し飼いにされている波勝崎苑だ。ただ、この先は有料となっているので、みちくさしていく訳にはいかない。


この大駐車場に、第2関門の波勝崎エイド(53キロ)がある。15時の関門までには、1時間近く余裕があった。


波勝崎で、蛍光タスキを受け取り肩にかける。この時間で行くと、ゴールは日没すぎになるという事はわかる。坂を登り返して、途中から海岸へと下って行く道に入る。


ぐんぐん下っていくので、まるで海に飛び込んでいくような雰囲気だ。




ほぼ波打ち際間近まで下ってきた。


こんなに海岸線間近を走れるとは!なんて素晴らしいコース設定だと感心する。打ち寄せる波の音も大きく、大自然と一体になっているような感覚に包まれる。




61キロの妻良小浦エイドでは、鳥めしやウインナーを食べる。67キロの吉祥エイドでは、温かいコーヒーを飲んでゴールを目指した。このウルトラマラソンのコースは、最高にロケーションがいいのだが、伊豆半島は、太古の時代流れてきた島が本州にくっ付いたという事でアップダウンが半端じゃない。GPSで累積標高差を見ると、上り下り合わせて3400mもあった。後半は、なかなかスピードが上がらず、ほとんど歩きになってしまっていた。残り1キロくらいで真っ暗になってしまい、午後5時半過ぎにゴールとなった。それでも、ゴール関門の午後7時までには、まだ余裕があった。


それから1時間後、我々のメンバーの最終ランナーがゴールし、全員が揃ったところで民宿に向かった。


参考:今回のコースマップ


民宿の温泉に入ってから、楽しみな夕食が始まった。やはり南伊豆という事で、海鮮料理が目玉だ。そして、走った人への御褒美として一人一尾ずつ伊勢海老の刺身も出してもらう。捌いたばかりなので、海老のヒゲがゆらゆらと動いていた。




これは、完走者に配られたメダルだ。ほとんどは、伊豆半島を模ったデザインのメダルだったが、人によっては、伊勢海老や桜を模ったデザインのものもあり、手作り感満載の大会だったというのが良く分かった。




大会に参加したメンバー全員が完走でき、美味しい食事と完走メダルでご機嫌な様子だ。


2014南伊豆みちくさウルトラマラソンツアー:2日目に続く。

2014南伊豆みちくさウルトラマラソンツアー:1日目(前半)

2014-11-16 23:22:13 | マラソン
金曜日の夜立ちで1泊2日の南伊豆の旅に出かけてきた。今回の目的は、第1回南伊豆みちくさウルトラマラソンに参加するためだ。ウルトラマラソンでも、いろんな組織の主催する大会があるが、「みちくさマラニック走援隊」主催の大会に参加するのは初めてだ。ウルトラマラソン経験者が主催しているらしく、エイドが充実していてランナーの期待を裏切らない大会だろうと大いに期待していた。そんな事もあって、この大会を知ってから顔見知りのラン友に声をかけたところ、全部で12名ものランナーが集まった。さっそく、宿の手配やらスケジュールの調整などを行い、現地へと向かった。

スタート会場となるのは、南伊豆町の青野川ふるさと公園である。前夜からスタート会場の駐車場で仮眠していた。スタート時間は、15日土曜日の午前6時だが、午前3時半くらいから大会準備や参加者の車の入場音などで賑やかになり、眠れたのは3時間くらいだったが、いざ走るとなれば目も冴えてきた。慌ただしく着替えや朝食を済ませ、スタート会場に向かった。東の空が明るくなり日の出も間近だ。空は、見渡す限りの満天の星で、素晴らしい天気の予感を感じさせてくれた。


会場で出会った顔見知りのAさん夫妻と一緒にスタート前の集合写真を撮る。


突然現れたカメラマンに取材を受ける。どこかのテレビ局だったのだろうか?私もカメラを向けられ何とか話をすることが出来たが、放送されたのかどうかは分からない。


さて、いよいよスタートだ。約450名のランナーが75キロ先のゴールを目指して走り始めた。


青野川沿いを走る。青野川は、河口から中流部にかけて富士箱根伊豆国立公園に含まれ、河口の弓ヶ浜海岸はアカウミガメの産卵地としても有名で白砂青松の海水浴のメッカとして下賀茂温泉と並ぶ南伊豆町の二大観光拠点となっている。


6キロを過ぎ、浜に出た頃ちょうど日の出となっていた。海から上る日の出は見事だ。砂浜も美しい。


しばらく海岸線を走る。朝日に照らされ、道路もランナーも黄金色に見える。


前方には、タライ岬の奇岩も見えている。


一般ロードから抜けて、タライ岬遊歩道へと入る。この辺りは国立公園の一部となっており、入場にあたっての注意事項を読みながら進んでいく。


ウバメガシの灌木のトンネルを通っていく。ちょっといい雰囲気の遊歩道である。


海食崖や奇岩が続く自然の荒々しさを感じさせる景勝地だ。南伊豆には、ほとんど来たことがなかったので、最初から素晴らしい自然のコースに案内され感激する。




鎖場などもあり、足元に気を付けながら順番に前に進んでいく。


タライ岬からの展望も抜群だ。


今度は、石がゴロゴロしている海岸線を進む。最初からワイルドなコースで、自然と一体という雰囲気だ。


やがて、文字どおり弓形に弧を描く弓ヶ浜海岸前を通過する。湾の両側に岬があり遠浅で波も穏やかな美しい海水浴場だ。


15キロの手石エイドに到着した。ここは、漁協が開設したエイドで、干物とか、ぶだい竜田揚げ等が出された。いままで、エイドでこのような海産物を食べたことはない。特に竜田揚げは最高に美味しかった。ほかにもサンマやタイも食べ放題だ。




次に寄ったエイドは、19キロの大瀬アロエセンターエイドだ。アロエセンターというだけに、アロエスペシャルメニューやおにぎり、おでん等が出された。特に、アロエヨーグルトが美味しく3杯も頂いてしまった。




アロエセンター前で、集合写真。


ここから、石廊崎への道に進んでいく。


石廊崎といえば、荒々しい海岸線が続く伊豆半島最南端の岬だ。白亜の塔形をした石廊埼灯台の横を通り抜ける。灯台名は「石廊埼灯台」だが、立っている岬は「石廊崎」と呼びややこしい。


石廊崎の先端部。海の中に突き出ているので、風当たりも凄い。それにしても、青い海と青い空が太陽に照らされ眩しいくらいだ。


最突端の熊野神社の祠には、完走を祈るランナーたちがお参りしていく。


帽子があっという間に飛ばされてしまいそうなくらい風当たり強い。


太平洋に突き出たこの岬より西は駿河湾、東は相模灘である。




石廊崎入口に再び戻ってくるとエイドがある。ここでは、メロンパンやごま団子が出された。


石廊崎エイドは、第1関門(午前10時)となる場所だが、まだ50分ほど余裕がありランナーたちも快調に走っている。


2014南伊豆みちくさウルトラマラソンツアー:1日目(後半)に続く。

JAFデジタル会員証は使い勝手がよさそう

2014-11-14 18:31:55 | アプリ


今日届いたJAFMateに、「JAFデジタル会員証」のアプリの紹介が載っていた。なんでも、会員証をスマホに表示することで、JAFのロードサービスや優待施設の利用ができるようになるそうだ。

いろんな観光地に行った時、JAFの優待施設であれば会員証を見せると割引になることが多いのだが、いつも会員証を手元に持っているとは限らないし、結構肝心な時に持っていなかったりする。しかし、スマホであればほとんど持ち歩いていることが多いので、いざとなったらスマホの画面を表示するだけでいいというのは、ありがたい。

また、ロードサービスを呼ぶ場合でも、このアプリから簡単に呼べるらしく、GPSにも対応しており、位置情報も送ることができるそうだ。アプリのリリースは、11月20日からというので、まだ使えないのだが、リリースが始まったら是非使ってみたい。

詳細はこちらから、
http://www.jaf.or.jp/proceed/member/certificate/index.htm

“自宅避難”で用意しておきたい防災セット

2014-11-13 21:41:50 | いろいろ
いざ何かあった時の為に、どの家庭でも防災セットを用意していると思うが、その中身が本当に必要なものかどうかは、実際そんな状況になってみないと分からないものだ。地域の避難所で過ごす場合では、それなりに必要なものが揃ってくる可能性があるが、自宅避難をする場合には、外からの支援を受けられない可能性もある。また、都市部では避難所になる小中学校などの公共施設が少ないため、避難所に来る人をすべて受け入れられないという可能性がある。そんな時は、避難所に避難するより、自宅の建物が無事なら自宅で過ごしたほうが安心だ。

そんな場合に、自宅に備えておきたい防災セットの中身は、「掃除」「落ち着ける空間・環境作り」「情報の収集」「衛生への配慮」にポイントをおいたものがあったほうがいいという。防災セットの準備についてこんな情報を得ることが出来たので紹介したい。

1.部屋の掃除・整理
 震災後は食器棚などが倒れたりして、ガラスや陶器の破片が散らばる状況が想定される。そのため、床、ソファ、ベッドの上などの「掃除」をしなければならなくなり、安全に掃除をするためのグッズが必要となる。例えば「耐切創」仕様の手袋、ガラ袋、ガムテープ等だ。こういったものは、災害が起きるとすぐに売り切れてしまう可能性があるので、あらかじめ用意しておくにこしたことはない。

2.落ち着ける空間・環境作り
 掃除の後にブルーシートを敷くことで、破片などを気にせず食事や体を休ませる場所が確保できる。また、生活を続けるうえで欠かせないのが「照明」だが、懐中電灯よりランタンのほうが室内では役に立つそうだ。懐中電灯は何かを探したり、歩く方向を照らすなどの場合は効果的ですが、食事やくつろぐときなどは照明の代わりになるランタンが便利である。また、料理や洗い物などの作業では、手元を照らしながら両手が自由に使えるヘッドライトが重宝する。照明関係では、ランタンとヘッドライトを用意しておきたい。

3.情報収集
 災害時には情報の収集が必須である。ラジオや携帯電話、スマホが頼りになるが、電源を確保するために、電池の備蓄と同時に、手回し発電機能がついた自家発電・多機能LEDランタンのようなものがあるといい。これらを使って、スマホへの充電を行い緊急用の電話を掛けたりすることが出来る。

4.衛生への配慮
 便座は壊れなくても、断水が続けば、トイレに困る。そんなときのために、汚物を凝固材で固める携帯トイレがあると助かる。また、断水中はシャワーを浴びたり、水で手を洗うこともままならない。そんなときのために手や指先の洗浄だけでなく、ドライ洗髪にも使える洗浄液を用意しておくといい。

5.水や食料は「家庭内流通備蓄」で用意
 大地震が起きた場合では、「1週間の備蓄」が求められている。したがって乾パンのような非常食や長期保存できる水を防災袋に入れておくだけではとても1週間分はもたない。そこで、冷蔵庫内の食料やパスタや素麺、レトルト食品などの食料品も買い置きをしておいたほうがいい。また、携帯型「ガスコンロ」のボンベも備蓄しておいたほうがいいようだ。それから、水についてだが、ペットボトルに水を入れて冷凍庫で常に凍らせておくほうが効率的だという。これなら保冷剤に使えるし、溶けたら飲料水にもなり、時間が経ったものなら調理用の水、生活用水にできるから無駄になることがない。

以上のようなポイントを考慮して防災セットを揃えておくと、さらに安心である。さっそく、我家の防災セットの中身を確認し、不足しているものを揃えておきたいと思う、

鉄腕アトムの信号機

2014-11-12 18:32:00 | ニュース


神奈川県に、鉄腕アトムを使用した信号機ができたそうだ。信号機は、歩行者用のもので、赤信号=立ち姿、青信号=歩く姿の「鉄腕アトム」になっている。全国でも唯一の鉄腕アトムの信号機だ。

なぜ、そんな信号機ができたかというと、神奈川県には「さがみロボット産業特区」が出来ている。その周知広報を目的として、特区のイメージキャラクターである「鉄腕アトム」を使用した歩行者用信号機を設置したという事だ。

ただ、どこにあるかは具体的に公表されておらず、みんなで探してほしいという事で報道発表があったようだ。設置場所のヒントは下記の通りだ。

<設置場所のヒント>
•特区内の市町のうち、名前がひらがなで4文字のところです(○○○○市、○○○○町)。
•夏は大渋滞で有名な道路がすぐ近くにあります。
•大きなプールや空中散歩が楽しめる施設が近くにあります。
•これから「スペシャルイベント“アトムを探せ!”」 が行われるところです。
•特区スペシャルムービーの空撮スタート地点の南2kmのところです。


お役所がやることにしては、なかなか遊び心があっていいなと思う。ただ、神奈川県民ではないので、ヒントを見ても何処なのかはピンとこない。機会があったら見てみたいと思うし、他の地域でも有名なキャラクターを使った信号機ができたら面白い。例えば神戸では鉄人28号、境港ではゲゲゲの鬼太郎、石巻ではサイボーグ009といったキャラクターを使うといいかもしれない。

最近読んで特に面白かった本

2014-11-11 23:41:56 | 読書
1.超高速!参勤交代 らくらく本 土橋 章宏/著

<あらすじ>
江戸時代、磐城国の小藩・湯長谷藩の藩主・内藤政醇は、1年間の江戸での勤めを終えて湯長谷に帰国したのだが、それから間もなく江戸屋敷に居るはずの江戸家老・瀬川が、江戸幕府老中・松平信祝の命令を携えて政醇の前に現れた。その命令とは、帰国を果たしたばかりの政醇に対し、「5日のうちに再び参勤交代せよ」というものであった。信祝は湯長谷藩が所有する金山に目をつけ、金山を手に入れようと無理難題をふっかけて、湯長谷藩を取り潰そうと企んでいたのだ。理不尽な命令だったが、政醇は家臣と領民を守るために、あえて理不尽な参勤を受け入れることに決め、再び江戸に向かおうと決心する。果たして無事に5日間で江戸にたどり着けるか。

映画館で予告編を何度か見ていたが、何だかコメディぽぃ映画というイメージがあって、あまり興味が湧かなかった。原作本も、表紙がコミック調だったので、安っぽい感じがしていたのだ。それでも、映画の評判は良かったようなので、原作本を読んでみる事にした。読み終えての感想は、非常に面白かった。本当に磐城国から江戸まで5日間で行けるのかという疑問はあるが、足が速い精鋭の家来を集めて、奇想天外な方法で豪勢な大名行列に見せかけたり、行列を妨害しようとする忍び衆との対決や藩主政醇の純愛等、エンターテイメント満載のお話だった。そして、江戸城で将軍との謁見の時間までに政醇が間に合うのかどうかもハラハラドキドキの展開だった。主人公の内藤政醇という殿様は、家来や百姓にも好かれ強くて優しい魅力的な男として描かれている。しかも、藩で一番の剣豪であるというのも凄い。こんなリーダーの下でなら喜んで仕えたいものだと思った。改めて映画も見たくなった。

2.銀翼のイカロス [半沢直樹シリーズ] 池井戸 潤/著

<あらすじ>
半沢直樹シリーズ第4弾、今度の相手は巨大権力! 新たな敵にも倍返し! ! 頭取命令で経営再建中の帝国航空を任された半沢は、500 億円もの債権放棄を求める再生タスクフォースと激突する。政治家との対立、立ちはだかる宿敵、行内の派閥争い―プライドを賭け戦う半沢に勝ち目はあるのか?

半沢直樹シリーズの待望の新作である。池井戸作品は、まず外れがない。これも、面白すぎて寝る間も惜しんであっという間に読み終えてしまった。内容は、自民党から民主党への政権交代、JALの再建等、実際にあった事を半沢尚樹という主人公を柱にうまく描かれている。この本を読んでいくと如何に政治家という者は、自己の都合で政策を捻じ曲げていった様子がうかがいしれる。また、身内である銀行内部の派閥による妨害や敵意。再び金融庁の役人の登場などテレビの場面が浮かんできそうな場面が次々に出てくる。最後の最後になって、半沢が政治家を見事に論破する場面は快感である。自分の信じるところをきちんと持ちつづけ、ブレることなく行動することの大切さを思い知らされた。また、当初、中野渡頭取は、何を考えているのか良く分からなかったが、最後はとても魅力的な人物に変わっていた。

タイトルは、太陽に近づきすぎて羽が溶けて海に落ちてしまったギリシャ神話のイカロスを倒産寸前の航空会社になぞらえたのだと思うが、本文では、そのあたりには全く触れていない。内容的には、航空会社がメインではなかったので、ちょっとタイトルと合っていないような気がした。

3.ギフテッド 山田宗樹/著

<あらすじ>
アメリカ合衆国に住む13才の少年の体内に“未知の臓器”が見つかった。以後、同様の臓器をもつ子供たちの存在が、世界各地で確認される。いつしか彼らは、羨望と畏れを込めて「ギフテッド」と呼ばれるようになった。当初は何の特徴も見られなかったギフテッドが覚醒した時、彼らを恐れ排除しようとしていた普通の人間たちがいきなり肉片と化す殺人事件が起こる。そして、ギフテッドに対する恐怖が暴走する。『百年法』を凌駕する、一気読み確実、超絶興奮の胸打つ大巨編ミステリー。

ギフテッドとは先天的に平均よりも顕著に高い能力を持っている人のこと、またその能力を指す。この作品は、いわゆる超能力を持った人間とそうでない人間との対立を描いた作品だ。このテーマは、昔からいろんなSF小説の題材として取り上げられてきているので、それほど目新しいものではない。しかし、その内容は人類(非ギフテッド)と新人類(ギフテッド)が共存できるのか、どちらかを殲滅するしかないのかという壮大なストーリーに広がっていく。果たして最後はどうなるのかと気になってついつい読み進んでしまった。ただ、残念なことに、最後はやたらあっけない終わりとなってしまい、拍子抜けだった。前半から序盤までは、ぐいぐい引き込まれていっただけに惜しい作品だ。

2014年ヒット商品ベスト10

2014-11-10 22:51:59 | いろいろ
先日、毎年恒例の日経トレンディの「2014年ヒット商品ベスト30」が発表された。この企画は、集計期間中(2013年10月から2014年9月まで)に発表された商品やサービスを「売れ行き」「新規性」「影響力」の3項目で総合的に判定したものだ(昨年すでにヒットしていたものは原則として対象外)。

ランキングの「ベスト10」は以下の通り(11位以下は、割愛)。

1位 アナと雪の女王
2位 妖怪ウォッチ
3位 ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター
4位 ジェルボール洗剤
5位 Ban汗ブロックロールオン
6位 伊右衛門 特茶
7位 TSUM TSUM
8位 クロワッサンドーナツ
9位 格安スマホ
10位 あべのハルカス

やはり「アナと雪の女王」の1位は、誰もが納得する結果であろう。私も、ご多分に漏れず映画も見たし、DVDも買ってしまった。やはり、映画の内容もさることながら主題歌の「Let it go」があまりにも印象的だったのが、一番のヒットの原因だといえる。つい先日も、幼い子が「ありのままに~♪」と口ずさんでいるのを聞き、微笑ましくて顔がにやけてしまったものだ。

2位の妖怪ウォッチは、ほとんど分からないジャンルなので何とも言えない。身近に、小学生くらいの子供がいれば興味を持ったのだろうが、あいにくそんな子供が身近にいないので未だにそのヒットの理由がわからない。

3位のウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターも、開園早々に見ることが出来、面白かった。大人が楽しめるテーマパークは、これからも流行るだろう。ディズニーランドでも「アナと雪の女王」のアトラクションができそうな噂もあるので、数年後には、これも要チェックだ。

4位以下は、正直言って知らないものがほとんど。「格安スマホ」や「あべのハルカス」くらいは、単語として知っているが、ヒット商品だとは思いもよらなかった。

2014揖斐川マラソン

2014-11-09 23:18:20 | マラソン
何年か前に一度出た大会だったが、久しぶりにネットエントリーしてみたら先着順でたまたまエントリーできてしまったので、夫婦で参加してきた。今年は、フルが6000人、ハーフが4000人ということで、1万人のランナーが揖斐川を走ったようだ。

前に出た時も、あまりいい天気ではなかったのだが、今回は最初から最後まで雨だった。ちょっとテンション下がり気味だったが、スタートを待つ列に付いた。予想タイムは、かなり遠慮したので後方のGブロックになった。


時間が来て、ぞろぞろと前のほうに移動する。


3分ほどのロスタイムで、スタートラインまで来た。


スタートのところでは、金さんやQちゃんが応援している。


前方のクレーンに乗ったカメラマンに、みんなポーズを決めて走り出す。


沿道では、子供たちが雨の中、応援してくれている。全員にハイタッチをしながら走り出す。




5キロ地点を通過。このあたりから揖斐川沿いに走る。


幼稚園児の太鼓も嬉しい応援だ。


ライオン岩。


コース上には、こんな立て看板が一杯立っている。一つ一つの言葉に味わいがある。


赤い橋を渡る。


木々の紅葉も始まっている。


ずうーっと先までランナーが繋がっている。


反対側の道にも折り返したランナーが見える。


後半も墨絵のような景色を見ながら走る。


ここが30キロの大きな壁だ。マラソンでは、30キロ辺りでペースが落ちることから「30キロの壁」と呼ぶのだが、まさか本当に壁があるとは…。


32キロ。揖斐川の流れと紅葉がきれいだ。晴れていれば、もっと素晴らしいのだが…。


最後のエイドは、スイーツエイドだ。甘いものをいっぱい食べてラストスパート。




あの青い橋を渡れば、ゴールは間近である。


そして、無事ゴール。ネットタイムで5時間3分ほどだった。5時間切れるかなと思ってみたが、後半ペースが落ちて残念ながら力及ばずだった。


参考:今回のコース

2014熊野古道:熊野那智大社から花の窟神社

2014-11-08 14:57:37 | 観光
熊野古道大門坂は、杉並木と石段が650m続く那智山への参道である。霧が漂う中、苔むした石段を登りだす。


平安衣装に身を包んだ親子と共に石段を進む。




この衣装は、入口のお茶屋で貸出しているので試しに着てみたかったのだが、人気があって予約で埋まっているとの事で残念ながら諦めざるを得なかった。


石段の途中では、修験道の人が法螺貝を吹いて古道の雰囲気を高めてくれていた。




石段はさらに続いている。


杉並木が終わり、お土産屋が立ち並ぶ場所に出てきた。


熊野那智大社の大鳥居が見えてきた。


世界遺産と記された石碑もある。


さっそく境内にはいり、参拝だ。観光客も入れ代わり立ち代わりが激しく人気のスポットである。熊野那智大社は那智の滝を神とする自然崇拝からおこった社で、主神は、イザナミノミコトである。


八咫烏も見守っている。


平安衣装に身を包んだ女性のグループにも出会う。この地では、この衣装が良く似合う。みんな魅力的に見えてしまう。




熊野那智大社のすぐ隣には、青岸渡寺が建っている。明治の神仏分離令により多くの地域で仏堂が廃されたが、那智では観音堂が残され、やがて青岸渡寺として復興した。青岸渡寺は西国一番札所でもある。




青岸渡寺のすぐ隣の広い場所に出ると、三重の宝塔と那智の滝が一緒に見られる絶好の撮影スポットがある。


那智の滝は、垂直の断崖に沿って落下し、落ち口の幅13メートル、滝壺までの落差は133メートルに達し、その姿は熊野灘からも望見することができるそうだ。総合落差では日本12位だが、一段の滝としては落差日本1位で、華厳滝、袋田の滝と共に日本三名瀑に数えられている。




熊野那智大社と那智の滝を見る事ができて、大満足で下山となった。


その後は、バスで那智駅まで戻り帰路についたのだが、帰り道の途中に民宿で教えてもらった花の窟神社に立ち寄る。花の窟は、神々の母であるイザナミノミコトが火神カグツチノミコトを産み、灼かれて亡くなった後に葬られた御陵だとされている。この地も世界遺産に登録されており、日本書紀にも記されている日本最古の神社といわれているそうだ。


この巨岩が、御神体である。三重県熊野市では、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)に、花の窟神社を組み込んで「熊野四山」とすることを提案しているそうだが、今のところ和歌山県側は乗り気ではないようだ。
 

花の窟では年2回、例大祭があり、神々に舞を奉納し、日本一長いともいわれている約170メートルの大綱を岩窟上45メートル程の高さの御神体から境内南隅の松の御神木にわたす「御綱掛け神事」が行われる。




「御綱掛け神事」は、このような形で行われるそうだ。神事の際は、国道を通行止めにして、多くの人々が海岸まで出て綱を引くようである。なかなか興味深い行事だ。


春と秋の2回、熊野古道を歩くことが出来、古の人々の巡礼の旅の雰囲気を少しだけだが味わうことが出来た。日本の古代の歴史を感じながらの古道歩きも捨てがたいものだ。熊野古道の他のルートも、歩いてみたくなった。

2014熊野古道:那智駅から大門坂へ

2014-11-07 23:54:09 | 観光
朝7時の朝食を終えて、出発の支度をする。駅前というのに、民宿の前は静かだ。


早速那智駅まで向かう。車を那智駅前の道の駅に置き、二日目の熊野古道歩きが始まった。


歩き始めて直ぐに浜の宮王子がある。


浜の王子入り口には、樹齢800年ともいわれている大きな樟の木がある。楠の木であるが、葉が樟脳の香りがすることからこの地では、「樟の木」と呼んでいるようだ。根元から2つの幹に分かれていて、その姿から夫婦杉と呼ばれることもあるそうだ。


この神社は、熊野九十九王子のひとつで、中辺路・大辺路・伊勢路の分岐点となっている。那智山参拝前にはこの王子で潮垢離を行って、身を清めたといわれている。


そして、浜の宮王子のすぐ隣が、補陀洛山寺である。「補陀落」とはサンスクリット語の「ポタラカ」の音訳で、南方の彼方にある観音菩薩の住まう浄土のことをいう。日本においては南の海の果てに補陀落浄土はあるとされ、その南海の彼方の補陀落を目指して船出することを「補陀落渡海」といった。熊野の補陀洛山寺は補陀落渡海の根本道場といってもよい場所だという。


補陀洛山寺を出ると、曼荼羅の道の石碑があった。これから、熊野信仰の聖地である熊野那智山を描いた社寺参詣曼荼羅に因んだ道を歩くのである。


那智山まで8キロとあった。導いてくれるのは、八咫烏だ。


前方の山の方だけ霧が立ち込めている。あの辺りが熊野信仰の聖地:那智山のようだ。


沿道には、那智山道の灯篭も建っている。


曼荼羅の道の案内に従って小川沿いを歩く。


緩やかな登り坂となり、竹と杉の林の中を進んでいく。


前日の雨のせいか、道が沢のようになっていた。


立派な竹林の間には、木道が整備されている。


荷坂峠には尼将軍供養塔がある。尼将軍とは、源頼朝の妻、北條政子のことだ。政子は、夫源頼朝の没後、尼となり、子の頼家、実朝の後見として政治に関わっていた。しかし、その子たちが北條氏の策により次々と暗殺に遭い、その罪の苦しみから、二度の熊野三山詣でこの地に立ち寄った際、子の供養のためにこの供養塔を建立したといわれている。


ふだらく霊園の間を抜けて行く。


これは、ふだらく霊園にある柿の古木だ。源頼朝(1147~1199)の死後に植えられたと伝えられていて、幹の周囲は2.9mもあったそうだが、現在はこんな小さな木になってしまっている。この柿の古木は一時実をつけなくなっていたが、2006年からは再び実をつけるようになったそうだ。こんな枯れそうな小さな木になってしまっても未だに実をつけるとは、木の生命力は凄い。


市野々王子に到着する。この辺りは、那智川の上流域に位置し、地名は那智山の物資を売る市がたったことによるそうだ。




この市野々の里には、八咫烏の子孫が住むといわれている。市野々王子の近くにある市野々小学校の校章も八咫烏になっているそうだ。




那智川に架かる橋を渡ると、大門坂の入り口だ。ここは、那智大社への旧参道で、約600mにわたり樹齢数百年の杉並木の中に苔むした石段が続く。いよいよ、最終目的地である熊野那智大社まであとわずかとなった。




「2014熊野古道:熊野那智大社から花の窟神社」へ続く