神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

ラ・メランジェ ダージリン紅茶紀行 Vol.7 Dargeelingから再びKolkataへ(完)

2019-07-21 | 茶旅

Goomteeを後にして、Dargeelingの中心街へ。

この時もMr.ジーニーの先頭車に乗っていたのですが、
途中、道路の真ん中に立つ少女が1人。
Mr.ジーニーは車を停め、運転席の収納ボックスから取り出した飴玉を彼女の手に握らせ、
何かをささやいてから発進しました。
Mr.ジーニーによれば、その少女は盲目で、よくそこに立っているのだそう。
彼女を見かけると車を停め、お菓子を渡して「綺麗だよ」と話しかけるようにしている、そうすると、彼女は微笑むのだ、と。
Mr.ジーニーは優しい。
でも、危険な場所に立つ少女のことを思うと少し切なくなります。

この日の宿泊はHotel Mayfair。
ダージリンの街の中にあるリゾートホテルです。

部屋は清潔で快適。
ただ、ベッドマットレスが柔らか過ぎたのが腰痛持ちにはちょっと辛かった。



ホテルから繁華街のチョウラスター広場までは歩いてすぐでした。
茶葉の店「Nathmulls」や「Golden Tips」もありますし、お土産店も並んでいます。
(「Golden Tips」では今年のセカンドフラッシュ出たばかりだよ、
と何度も薦められましたが、
「茶園に行ってきたから」と言うともうそれ以上は推してきませんでした。)

ホテルに戻るころにはすっかり日も暮れて、
美しいダージリンの夜景が。


夕食も朝食もビュッフェ形式。種類が豊富で美味しかったです。
今回のインドでは食べ物にハズレがなく、お腹を壊すこともなく、食事を楽しみました。

楽しく充実したダージリンの旅もいよいよ最終日。
松宮先生、Sさん、Cさんはネパールへ。Yさんはしばらくダージリンに滞在。
他のメンバーは朝食を済ませ、車でバグドグラ空港へ。
帰りの道はクルセオンから下り、キャッスルトン農園、マカイバリ農園、ロングビュー農園を通過していきました。

バグドグラ空港で昼食をとり、ここでデリーに住むMさんとお別れです。
関西組、関東組、ポールさんの11名でコルカタへ向かいました。

コルカタではバンコク行きの飛行機に乗るまで6時間ほどあったので、
ポールさんがバスをチャーターしてコルカタ市内を回ってくださいました。

当初はマザーテレサの家、ガンジス川(フーグリー川?)のチャイの店、スーパーマーケットに行き、
レストランで夕食をとるという予定だったのですが、
マザーテレサの家に行く道が大渋滞で(他国の要人が来ていたらしい)バスが全く動かなかったこと、
そうこうしているうちにバケツをひっくり返したような集中豪雨に遭い、結局どこへも寄れずにレストランへ直行しました。



バスの中から見えたマザーハウス。
一階にマザーテレサのお墓があるそうです。

結局バスの中からしかコルカタの街は見ませんでしたが、
それだけでも十分ショッキングでした。
歩道に立ち並ぶ朽ちたトタンの屋台、
とうてい回収されるとは思えないゴミの山、
水たまりで長い髪を洗う女性、
裸で道に転がっている乳飲み子、
物乞いなのか修行者なのかも区別がつかない老人たち、
バラック小屋の路地から手を振り投げキッスをする少年・・・。
混沌、という言葉しか思い浮かびません。
沢木耕太郎の『深夜特急3-インド- (新潮文庫)』に描かれたコルカタは、今も尚その片鱗を見せていました。


楽しみにしていたチャイの店に行くことができなくなったので、
ポールさんが通りの屋台の店に頼んで、
可愛らしい少年がチャイを配りに来てくれました。
磯淵先生の『金の芽』でも登場した、チャイ用使い捨ての素焼き茶杯は大切に持って帰りましたが、
もう既に端がだんだん欠けてきて、徐々に土に戻っていっているようです。

マザーハウス周辺のスラム街の景色とは一変して、
レストランのある近くは高級ホテルやオフィスの並ぶ通りでした。
どちらもインド、なのでしょう。

深夜発の飛行機に乗るため、コルカタ空港に戻り、
ポールさんと別れの挨拶をして、バンコク経由で帰国しました。

帰国してからは3時間半という中途半端な時差のせいか、
インドの時間の流れに乗ったままだったのか、
しばらくインド気分が抜けませんでした。

インドに行った人はインドをとても好きになる人と嫌いになる人とはっきり分かれる、と聞きますが、私は前者でした。
もともとアジア好きだし、スパイシーな料理も好きだし、もっと若かったらハマっていたかもしれません。

今回は素晴らしい茶園を見ることができたのが、もちろん一番の収穫ですが、
この世にはまだまだ知らない世界がある、ということを再認識したのは貴重な体験でした。

最後に、Mr.ジーニーからのいただき物を。
天気のいい日のダージリンからはこんな風にヒマラヤ山脈が見えるそうです。



最後に、この場をお借りして、今回の旅でお世話になったすべての方へ感謝の意を表します。

つたない「ダージリン紅茶紀行」、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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