神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

ラ・メランジェ ダージリン紅茶紀行 Vol.6 DHRでGoomteeへ

2019-07-16 | 茶旅
ダージリン滞在もあと一泊を残すのみとなりました。 
いつもの車で早朝Singtomを出発し、Kurseong Tourist Lodgeで朝食を取り、
 DHR(Dargeeling Himalayan Railway)のKurseong駅へ。

途中の渋滞を見越してかなり余裕を持って早めに出発したのですが、
予想通り、途中でトラック同士がなかなかすれ違えず、長蛇の列ができています。

この日は私は4台のうち、先頭車の助手席に乗っていました。
先頭車のリーダー格の運転手さんは、一番運転が上手くて、
『アラジン』のジーニーに似てると私たちの間では密かに噂されていました。
Mr.ジーニー、渋滞の状況を見て取り、すかさず車を降りて、周りの車の采配をしています。
何だかその様子がとても恰好よくて、対向車が何とか通り抜けて渋滞が解消した時には、先頭車両の私たち一同は拍手喝采。
無事、列車の出発時間前に、Kurseong(クルセオン)駅に着きました。


とは言え、そこはインド。
待てど暮らせど列車はやってきません。

ダージリン鉄道、通称トイ・トレインはNew Jalpaiguri駅からDargeeling駅まで
約88km標高差2,000mを10時間(!)近くかけて走る登山電車で、世界遺産になっています。
ただし、ほとんど車道と同じルートを通りながら、急勾配をループ線やスイッチバックを多用しながら登ること、
そして老朽化のため、遅れや運転休止は日常茶飯事だそうです。

ダージリンでの移動はトイ・トレインよりも車の方が断然便利なのですが、
やはり一度は乗ってみたいですよね!
松宮先生の計らいで、道中Castleton農園の茶畑が見える
Kurseong駅からMahanadi駅までのひと区間だけ
トイ・トレイン乗車を組み込んでいただきました。

反対方向のKurseong駅から終点Dargeeling駅までの短距離区間は
観光用の蒸気機関車が走っていますが(トップ写真)、
長距離区間は基本的にディーゼル機関車になります。



30分は待ったでしょうか。
渋滞の中を縫うようにディーゼル機関車がやってきました。


駅に入るためにバックで折り返してきます。
見物人と車でしばし立ち往生。


やっとホームに到着。
一番後ろの車両に乗り込みます。

乗ったはいいけれど、なかなか発車しない・・・どうやらトラブル発生。
車内でも30分近く待ったかなあ。


やっとこさ、Kurseong駅を後にします。
急ぐ旅には向いていませんね(笑)。


途中、茶畑が見えたり、
住宅の脇を通る時には住民の方たちが手を振ってくれたり、
楽しい車窓の旅でした。

Mahanadi駅に到着し、列車を降ります。
ここからGoomtee茶園は歩いてすぐの場所にあります。



Goomtee Tea Estateは隣接するJungpana Tea Estateと現在は同じ経営グループに属し、
共にダージリンを代表する名茶園のひとつです。


クルセオン・サウスに位置し、とても自然に恵まれた立地条件です。
上の写真の真ん中あたりに見える小さな赤い屋根がJungpanaの工場です。
Goomteeはトイ・トレインの駅から徒歩ですぐですが、
そこからJungpanaまではまず車で谷間まで行き、
そこで車を降りて2、30分ほど徒歩で登っていく・・とのことで、今回は断念。
また来る機会があれば、Goomteeのゲストハウスに泊まってJungpanaまで行ってみたいものです。


Goomteeの工場を見学。
こちらもとても清潔で、乾燥機が工夫されているという印象を受けました。


等級もとても細かく選別されています。



マネジャーハウスで昼食をいただきました。
野菜が豊富で、こちらもとても美味しい!

GoomteeとJungpanaは松宮先生がダージリンで一番最初にお世話になった茶園ということで、
スタッフの方々も松宮先生を覚えていらして、感動の再会シーンがありました。

先生の茶園訪問記はラ・メランジェのHPのColummnesのページから読むことができます。



GoomteeとJungpanaの今年のセカンド・フラッシュを試飲させていただきました。
Jungpanaでは珍しいClonal品種や、Goomteeのマスカテルバレー(限定茶園)も!


故磯淵猛先生の著作『金の芽 インド紅茶紀行 (集英社文庫)』が
マネジャールームの本棚にありました。
磯淵先生が20年余り前に初めてアッサムとダージリンを訪れた時の旅の記録です。
ダージリンではGoomteeとJungpanaを訪れた様子が書かれています。
この当時に比べ、ダージリンもアッサムもずっと訪問しやすくなりましたが、
書いてあるエピソードは、訪問した後に読むと、とても納得してしまいます。
お薦めの一冊です。

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