台風が上陸し、西日本は大変な状況ですが、今日は現役の時に国土交通省にいた先輩の話を聞く機会がありました。
その方に「北海道の道路でこれからやるべきことはなんでしょうか」と訊いてみると、「高速道路の4車線化だと思います」との答え。
「それはどのように大事だというのですか?」
するとその方は「四国に高知自動車道というのがあって、ここは4車線化されているんですが、急峻な地形のところで2車線+2車線になっていて、それぞれ別な橋をかけて4車線化するという構造になっているんです」
「はい」
「それが先日の7月豪雨で土砂崩れが発生して片側の車線が通行止めになって走れなくなりました。ところがもう一本の橋による車線があるので、それを利用してその部分だけ片側1車線で暫定通行をすることでなんとかしのぐことができました。リダンダンシーという言い方をしますが、少しの余裕を持たせることで、いざというときの対応力が増すんです」
「北海道でも、2年前の災害時には、一般国道がどこもズタズタにされたときに、唯一高速道路があったおかげで人流や物流が保たれました」
「それもインフラの余裕の一つですね。いくら高性能なインフラでも、それが一つしかないと予想外の災害などでそれが使えなくなった時の損失は甚大なものになります」
早い段階でしっかりした投資を行って、より便利で強靭な社会にしておくことは、未来への付け回しではありません。
西日本豪雨被害でも、もっと早く災害対応のインフラを整備して置けば被害が少なく済んだところだって多かったはずです。
一人一人が危険を判断して非難するセンスも大切ですが、その一方でやるべき防災対策はきっちりやらなくてはなりません。
未来の人たちが早く恩恵を受けるような社会にしておくことは今を生きている私たちの責務であり、頑張りどころだと思います。