今回の道北旅行の最後の目的は、豊富温泉で友人夫婦が経営する旅館のお披露目パーティに参加することでした。
豊富温泉と言えば、かつては稚内の奥座敷の温泉旅館街でした。しかし今では世界でも珍しいアトピー性皮膚炎に効果がある"油"成分の石油の香りがする泉質の湯治温泉として知られるようになりました。
そんな温泉街に、かつては古い老舗の温泉旅館として多くの客を迎えた川島旅館。しかしいつかアットホームは良いけれど、今日の宿泊客のニーズにはなかなか応えきれない現状も目立ち始めていました。
それをここの三代目の若夫婦がリニューアルして、いよいよ完成したのが露店風呂付温泉旅館としての新生「川島旅館」です。
日曜日は地元の人たちやプランニング、建設などに携わった関係者、さらには友人・知人なども交えたオープニングパーティが開催され、私ら夫婦は宿泊客としてお宿に泊めていただきました。
新しい湯治ニーズや宿泊トレンドなどを考えて、一人用の個室を増やしたほか、露天風呂を新設。
アトピーを患う皆さんは、水道水ですら体に良くないですし、食の面でもタンパク質系は注意が必要。そんなきめ細かいニーズを施設で受け止めたり、ご主人である板長が素材を厳選したヘルシー料理でもてなしてくれる温泉旅館に変わりました。
建物は現代建築っぽくなって、玄関すぐの吹き抜け空間は宿泊客の集いのスペース。階段下はなんと子供たちのお遊び冒険空間になっていたりして遊び心も満点。
またかつての旅館で使われたレトロな部材が姿かたちを変えて建物の中にちりばめられていて宝探しのような感覚もありますよ。
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さて、そんじょそこらの温泉とは全く違う泉質の豊富温泉ですが、初日の我々が入ってみると熱くて熱くて昭和の我慢おやじになりそうな感じ。
後から聞いたら、「すみません。水道で埋めると肌に悪いのでボイラーで温度調整をするんですがまだ微調整がしきれなくて。横にある温度の低い源泉槽の水で埋めてもらえばよかったんですが」とのこと。
まあ友人は良くも悪くも実験台であり、改善のための初期不良除去役です(笑)。
この日は古くからの友人が集まってきたり、名前だけ聞いていても会うのが初めてという方も大勢いて、ここを核にしてまた新たな人間関係が広がりました。
新しい知人の一人は、「実は目の前の川ももう少し上流へ行けば20センチくらいのヤマベがずいぶん釣れるんですよ」という耳寄り情報を教えてくれました。
何度もその横を車で走らせていながらとうとう竿を入れないまま離れてしまった稚内。そういう情報を待っていました。
道北の新たな拠点がまた一つ。どうぞ一度お越しになってみてください。
稚内北星学園大学全面協力による
【川島温泉スペシャルムービーあります】
http://kawashimaryokan.co.jp/special-movie