今夜半から北海道の天気は大荒れという予報が出ています。
急速に発達する二つの低気圧が重なって一つになることで、非常に強い低気圧が北海道を通過しそうで、「数年に一度の猛吹雪になる恐れがある」とされ、気象台では厳重な警戒を呼びかけています。
わが開発局でも各現場で万全の体制を整える準備を進めていて、週内に行われる予定だった、各地方から集まって開催が予定されていた各種会議は軒並み中止。現場での対応を最重視しています。
今回の気象状況でやっかいなのは、風と雪が強いのに加えて今夜半から道南方面では雨が降りそうだということ。雨が降っての凍結や、雨を含んで湿った重い雪が降ることで伝染の着氷による停電や、農業用ハウスの倒壊などの被害の恐れがあります。
雨が降ると雪を融かしながら流れる川で氾濫が起きるかも知れず、排水ポンプ車の出動準備もしています。
今回は特に道北や道東での暴風雪被害に警戒が必要なようなので、関係方面の皆さんは厳重な注意と、被害への即応をお願いしたいと思います。
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ところがそんな最中、今度は十勝岳での火山活動が高まり、噴火レベルを引き上げたという連絡が入りました。
十勝岳では2006年から山体の浅い部分での膨張が続いていたのだそうですが、今年の7月から「62-2火口」と呼ばれる観測点の付近でその変化率が大きくなり、膨張がさらに浅い領域にまで及んでいる可能性が示されました。
また、大正火口の近くに設置した地震計の常時微動の振幅が大きくない、山体の浅い部分での熱水活動が高まっている可能性も示されました。そしてこれらのことから小規模な噴火の発生する可能性が高まったと判断されたのです。
小規模な噴火に伴う噴石の飛散に警戒が必要ですが、今回の警戒レベルに伴う規制の範囲は十勝岳の62-2火口から概ね1kmの範囲に留まっていて、白金温泉や十勝岳温泉などはその外にあって危険はないとされています。
風雪ならぬ風説によっても観光は大きく左右されますが、現状を正しく認識しておきたいものです。