先の衆議院議員選挙の最終投票率は全国の小選挙区で52.66%、比例代表で52.65%と発表しましたが、これは戦後最低の投票率なのだそう。
社会を積極的に変えようとも、積極的に支持しようとも思わない人が増えているというのはゆゆしき問題です。
掛川にいた時にご指導を受けた当時の榛村市長さんは生涯学習のまちづくりを進めた創始者。その実践として一人ひとりが自分のマチの事をもっと考えて行動を起こすべきだ、と言っていました。
こと選挙に関しては、「生涯投票率」と概念を打ち出しました。
生涯投票率とは、自分の一生の中で選挙で投票に行く機会のうち何度ちゃんと投票をしたか、という投票率のこと。
実は日本で二十歳以上に選挙権がある現在、八十歳まで60年間生きたとするとおよそ100回の投票の機会があることになります。
それは知事選、都道府県議会議員、市長村長、市町村議会議員は任期が4年なので、60÷4でそれぞれ15回の投票機会があり、これが四種類なので地方自治体関連で60回となります。
国政で言うと、参議院議員は任期6年を三年ごとに半数ずつが選挙に臨むので60÷3=20回。
そして衆議院議員は任期途中での解散がありますが、第一回衆議院選挙が1890年のことで、今回の選挙が第47回衆議院選挙となり、第一階の都市から現在の2014年までは124年が経過。
124年÷47回≒2.6年(平均任期)ですがまあ約3年とするとこれも人生で約20回の投票機会があることになります。
そこでこれらの地方選挙60回+国政選挙40回=約100回の投票機会となるわけです。
そしてこの人生で100回の投票機会のうち何回実際に投票へ行ったかを自分のこととして、生涯投票率と呼ぼうというのが榛村さんの考え方。生涯学習とは文科省が言うような勉強ではなく、社会に強くかかわろうという人生論だということがお分かりいただけるでしょうか。
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自分の生涯投票率が少ないということを恥ずかしいと思うような価値観を社会が持てれば、投票に行かずにはおれんような雰囲気ができるというものです。
今の投票率の考え方は、別に自分がいかなくても何の咎めも恥の気持ちにも繋がらないのがいけないのだと。自分のこととして考える生涯学習を選挙にも持ち込めば、社会と自分の繋がりを改めて意識するのではないでしょうか。
岐阜県の関市では、成人式に選挙の「生涯投票スタンプ帳」を配って、投票へ行った証を"見える化"する取り組みを行っているのだそう。
このような地道でも実践的な活動こそが社会に関心ある市民を育てるのではないでしょうか。
生涯投票率を誇る生き方で参りましょう。