昨日も今年二度目の職場内研修講師。お題はいつもの「地方自治体から見た北海道開発局」ですが、そのたびにパワポと講義内容はブラッシュアップさせているので中身は少しずつ変わっています。
今日もポイントは、地方自治・地方自治体というものに対する一般的教養、国(北海道開発局)と地方自治体との関係、そして地方自治体の信頼と共感を得るために地域で必要なふるまい、ということを中心に話をしました。
今回は各開発建設部の課長級の人たちの研修ということで、それなりの立場になる人たちばかり。地域での影響力も増えるということで、開発局を代表する立場で人や地域に接することも多くなることでしょう。
自分自身が組織を代表するという自覚をもって、これからの行動に繋げてほしいものです。
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さて、講義そのものは1時間の時間しかないので、私の思いが十分に伝わったかどうかがわかりません。
もしかしたら質問や意見もあったかもしれませんが、それだけの時間を取ることができませんでした。
そのため、ということでもないのですが、研修初日の今日開かれた研修員と研修室による懇親会にはいつも私も参加させてもらっています。
昔一緒に仕事をした仲間も受講してくれていたので、感想を聞いたり質問を受けたりはこの時間での仕事となります。
講師と受講者となると上下のある一方的な関係になってしまいそうですが、懇親会に出て身近に会話をすることで、相手のとらえ方や感想、意に反して伝わり切っていないようなことについても突っ込んだ会話ができるのです。
つまり、講義をしたことのおさらいと復習をする機会があることで、二重に刷り込むことができて、講義内容をさらに印象深く伝えることができるのです。
実は研修が終わった時に受講者にはアンケートを取っていて、その中に「もっとも印象的だった講師は誰か?」という質問があるのですが、私の名前を書いてくださる方が結構多くいます。
アンケート結果をチェックしている研修室の知人は、「これって小松さんが懇親会にも出ているからだと思うんですよね(笑)」と笑っていましたが、私はそれを、講師と受講者との関係性が懇親会に出ることによってより深まり、講義内容がさらに印象深いものとして捕えられたと前向きにとらえています。
つまり、それだけやらないと講義内容は一過性の話を聞くばかりに終わってしまって心の中に重みをもって残らないのではないか、という反省と、関係性を深めることで研修効果を上げようという私なりの一歩踏み込んだ行動であるわけです。
そんなことは誰も求めていないのかもしれませんが、それでも思いついた中でできる最善の事をする。
二宮尊徳先生は、報徳のお話の中で、「注文の外」という単語を使っています。
あることを求められたら、その相手のことを慮って(それならばさらにこうやっておくと相手は喜ぶだろう)という想像性を働かせて、求められる以上のことを返す生き方をしよう、という意味です。
こんな歌が一首詠まれています。
陰膳に 蠅追う妻の 操かな
亡くなった人に備える供物にはハエがたかっても本人が食べられるわけではないのだからもうどうでもよいようなことです。しかしそれを敢えてその蠅を追うことが亡くなった人への操なのだ、ということです。
人生、思いついてしまったからにはできるだけのことをしてやろうと思いませんか。
時代を次の人たちに託す準備を私はしています。