ある会議の会場が開くのを待っていた場所で、同じ職場の友人と会話になりました。
話題は、「どうやって地域の人たちの信頼を得たらよいか」というもの。
事業を行う前段で地域の信頼を得るというのは技術職にとって必要な素養のように思いますが、その彼は事務職であるにも関わらず、技術職以上に地域に溶け込む努力をしていたのです。
「網走にいた頃は、自転車で212kmのオホーツクサイクリングにも出たし、住まいから40kmくらい離れた町の会合に自転車で出かけたら町長さんがびっくりしていたよ」
「それって地域をよく知るという素晴らしい姿勢だね」
「地域検定も受験したし、網走検定は三段だよ(笑)」
「いいねー、地元民より地元を知るというのは転勤族の鑑だよ」
「ある町にはとても美味しいカレーパンを売っているパン屋さんがあるんだけど、『あそこのカレーパンは美味いですねえ』と町長さんに言ったら『良くご存知ですね』と驚いていたよ(笑)」
ちょうど明日はまた、職員研修で「地方自治体から見た北海道開発局」というお題で研修講師をするのですが、彼のことを話題で使わせてもらおうと思います。
地域に感心をもち敬意を払い、その土地を隅々まで知ろうと努力し、そこに住む人たちをレスペクトする。
それこそが、「私を信頼してください」などと直接言うこと以上に、信頼を持ってもらえるための要素です。
いい歳をしてそれなりの立場になったのなら、地域への単身赴任をしたときに、地域に関心を持って何でも見てやろうという覚悟をもって臨むべきだ、と私は思います。
「単身赴任であまりにも週末に自宅に帰らないから、家庭は大丈夫か?って心配もされたけどなあ(笑)」とはその友人の弁。
こういう思いでいてくれる同僚が身近にいることはとっても嬉しかったのです。