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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

融通がきく

2008-06-20 23:48:09 | Weblog
 一昨日書いた、「国家公務員が飛行機で出張する際のマイレージを国で管理できないかという検討を始めた」という話題の続き。

 基本的にマイレージは乗った個人について回ります。しかしその某公務員が飛行機に乗った距離を、「誰が」ではなく「何人」乗ったか、という記録に置き換えて、マイレージを距離×人数分いただき、それを航空券に変えて出張旅費を浮かせようという基本的な考えです。

 この考えを民間航空会社にただしたところ、航空各社はどうも難色を示しているよう。その理由は、そもそも公務員だけを相手にしているサービスではなく、個人客の囲い込みのための戦略であるということ。そしてそのお客がマイレージで旅行してくれればついでに家族旅行をすることで新たな需要を掘り起こすきっかけにするのが目的だから、というもの。

 マイレージを使うような利用者は、マイレージ獲得の時は正規に近い料金で乗ってくれて、マイレージを使う飛行機は繁忙期を除くためにどうせ空席があるような便を埋めてくれるに過ぎないと考えていること、などが挙げられるそうです。

 なるほど、この「ついでの需要」という戦略がよいですね。釣りでいうところも撒き餌みたいなもの。それでおびき出しておいてがっちりいただくという民間ならではのサービス戦略ではありませんか。柔軟なマーケティング戦略というものです。

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 官庁でも今はもう無くなりましたが、昔は全国から陳情や相談に来たときにその地域の産物をお土産として持ってきてくれることが良くありました。

 それが賄賂性があるということでもらっちゃいけない、ということになりましたが、かつてそういうお土産はもらって初めて「ああ、こういう美味しい名物があるんだ」と言うことが分かり、お取り寄せをしたりお中元やお歳暮として贈るなどの新たな需要を生み出していたものです。

 それがきっかけでついでの需要を生み出すというのはしたたかで柔軟な、商売上の作戦。

 融通の利かない人のことを石部金吉(いしべきんきち)と言いますが、こういうしゃれっ気にも乗らない、何でもダメというのはぎすぎすした世の中を助長しそうです。

 公務員でも、出張が多くてあまりにマイレージが多くてずるいということであれば、例えば海外出張ならマイレージを認めないが国内出張なら良しとする、などといった仕切を入れることもあっても良いのかも。さて、どうなりますやら。
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