恐山あれこれ日記

院代(住職代理)が書いてます。

悪態です2

2013年09月20日 | インポート

 どうやら誰も真正面から言ってないような気がするので(すでにどこかに記事があったらゴメンナサイ)、オレが言うぞ。

 3.11大震災後、被災地の復興は一向に進まず、原発事故は先々の始末を見通せるどころか、汚染水をたれ流しながら、オリンピックなんぞと浮かれている場合か!!

 一番おかしな話は、「復興五輪」というお題目だ。東京でやる運動会の大はしゃぎが、被災地の復興の何の役に立つんだ! よもや東京に引っ張り込んでくるためだけの歌い文句じゃあるまいな?

 そう言う以上は、まさか7年後、被災地に仮設住宅は無いだろうな? 被災者も落ち着いた暮らしの中で運動会見物できるんだろうな? 汚染水の完全処理は当然として、土地の除染も終わり、廃炉に向かって着々と計画は実施されているんだろうな?

 1000兆円の借金を抱え、40兆円程度の収入なのに100兆円近い金を毎年使いつつ、子供は減る大人は老いるのこの国に、運動会へつぎ込む金と人材と時間があるなら、どうしてそれを震災と原発事故の大課題に一挙に投入しないのだ!!(原発現場の作業員の待遇と安全は本当に大丈夫なのか?)

 復興にも原発の始末にもようやく目処がつきました、ついては世界の皆様にご心配をいただいたお詫びとお礼方々、多少無理をしてでも東北の地にお客様をお招きして、一緒に運動会で盛り上がりましょう・・・・・・というのが、まともな筋の話だろう! いま東京の出る幕か!!

 枕詞のごとく飛び出した「スポーツの力」とやらは、要するに「スポーツ」の話だ。たかだか一過性の集団ヒステリーのごとき興奮(最近はそれほどでもないか)が、「国難」というべき状況が続くこの国のどこに、どのように役に立つというのだ? いったいぜんたい、どこから出てくる自信なんだ?

 選手が被災地の子供と遊んでいるのは結構な図だが、まさかその程度のことで「力」と言うのではあるまいな。その上「被災地に貢献」などと言おうものなら、仮設住宅のお年寄りが泣くぞ。

 前の都知事の戯言のころは気にもとめなかったが、3.11以後は話が違う。オレは、東京にオリンピックが来ると決まった今でも、反対だ! 反対だ!!

 時すでに遅しの悪態です。すみません。