恐山あれこれ日記

院代(住職代理)が書いてます。

年末の妄想 2011

2011年12月30日 | インポート

「永遠の命」などというもの与えられても、人間は持て余すだけだろう。最後は「地獄の苦しみ」と変わらない。

「永遠」は人間からすべての「意味」と「価値」を消去する。そこに剥き出しの時間が露出する。痺れるような、染みこむような、流れることのない、体液になった退屈。

「永遠」に耐えられるのは人間ではない。時間を持たぬ神であり、瞬間しか持たぬ虫である。

 ならば、「永遠」を語る者よ。君が語っているのは、死の横顔にすぎない。

・・・・・ この寒さというのに、部屋の隅をアリが一匹、歩いていました。それを見ていてとりとめなく想ったこと。

 今年も一年、当ブログを読んでいただき、ありがとうございました。