くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「カミングアウト」砂川秀樹

2018-09-05 20:34:41 | 社会科学・教育
 新聞の書評で読んで、関心を持った一冊。砂川秀樹「カミングアウト」(朝日新書)。
 カミングアウト、といえば、それはそう、LGBT関連ですよね。
 帯には、「『母さん、実はー』その時、関係はどう変化するか?」とあります。
 筆者自身に同性のパートナーがいて、2000年に東京レズビアン&ゲイパレード(東京プライドパレード)の実行委員長をされているそうです。

 様々な事情でカミングアウトする人、される人、家族など、具体的に紹介されています。
 冒頭に描かれている青年は、兄がゲイを拒否するような発言をしていたことから、カミングアウトをためらっていました。
 東京で仕事があったお兄さんに、イベントが終わらないから店に来てほしいと連絡する。その店がゲイバーで、「気づいてあげられなくてごめんな」と言われるのです。
 パートナーのお母さんに話をすることや、カミングアウトが原因で学校に行きづらくなるエピソードもあります。
 LGBT関連の書籍は、悩んでいる子が手に取りやすいように学校にも置いておくべきだと聞くので、寄贈します。

 さて、性同一性障害についての本も読みました。LGBTのTの方は、ほかの立場と大分違うということでした。
 西村明樹「子どもの性同一性障害に向き合う」(日東書院)。
 トランスジェンダーというのは、自分の性を受け入れられない存在だと西村さんは言います。
 男だとか女だとかはっきりできない面もあるのだそうです。一人の中には混在している。 
 世間に情報が出回るようになって、自分の子どもがトランスジェンダーではないかと相談にくる人が増えているそうです。
 まだ未成熟な時期に、決めつけてしまわなくともいい。どうしていくのが本人にとって生きやすいのか、考えていきたいものですね。

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