くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「こんなもんじゃ」山崎方代歌集

2009-05-04 05:11:26 | 詩歌
もう何年前のことでしょう。与謝野晶子の短歌が気になって、文庫本を買ったのです。当然「みだれ髪」ですね。読んでいるとき、昔叔母が読んだらしき晶子の詩集が実家にあったことを思い出しました。で、巻末あたりに短歌がピックアップされていたのです。それはおもしろかったような記憶があるのですが、「乱れ髪」はあんまり……。
聞いたことのある作品はいいのですが、ほかの喉もで興味がわかないまま、結局挫折しました。
でも、この短歌だけが淡々と収録されている「こんなもんじゃ 山崎方代歌集」(文藝春秋)は読みきれました。おもしろい。人生観とか乾いたおかしみのようなものが、歌から立ち上ってくるのです。
山崎方代、という名前は、出久根達郎のエッセイで読んだことがありました。今回いろいろな短歌を読んでみて、気になるものがあったのです。

あかあかとほほけて並ぶきつね花死んでしまえばそれっきりだよ
私が死んでしまえばわたくしの心の父はどうなるのだろう

読んでいくと自分の名前を読み込んだ歌が出てきます。

夕日の中をへんな男が歩いていった俗名山崎方代である
しみじみと三月の空ははれあがりもしもし山崎方代ですが

年齢を取り入れた歌もあります。

しょんぼりと五十二歳の手をひろげうらを返して今日を過ごしぬ
六十歳を過ぎた頃ようやくに見合いの数も落ちて来にけり

こんな方代さんですが、「一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております」「雨もりのしみさえあなたの顔にみえ今日のうつつにこがれゆくなり」なんですって。
わたしはこういうのも好きです。
声をあげて泣いてみたいね夕顔の白い白い花が咲いてる
ノートにメモを取りながら読んだのですが、ここまで紹介した分は、その中には入っていません。でも、これは気になります。なぜそう思うのか根拠を知りたい!

北斎は左利きなり雨雲の上から富士を書きおこしたり


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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-08-23 22:14:56
こんばんは。
嬉しいです。頑張って下さい。今日の朝は、「虎に翼」の第105回を見ました。
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