くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「機長、事件です」秋吉理香子

2017-09-06 05:37:39 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 パリ就航の四日間を、四つの短編で描いた「機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解きフライト」(角川書店)を読みました。
 イヤミスともいわれる秋吉さんですが、帯にもあるようにポップなトラベル小説です。
 国際線で副操縦士として初の搭乗となった間宮治郎は、友人から機長の氷室翼の悪評を聞かされます。冷たく、効率重視で細かい指示が多い。さらに、技術をひけらかすような行動がある。
 びくびくしながら出勤したら、初っ端からガツンとやられます。
 氷室は、まだまだ珍しい女性機長で、ハーバード卒業のエリートですが、メディアに取り上げられるのを嫌い、誰に対しても容赦がないので、世の中に疎い彼は知らなかったのですが、「氷の女王」の異名を取るクールな存在だったのです。
 また、今回は十二時間の長旅とあって、もう一人の機長が同乗しています。幸村操雄機長は、チャラチャラしているけど優しくて頼りになる男性。CAの多岐川は気配り上手なお嬢さま。(氷室が言うには「こち亀」の麗子クラスのお嬢さまだそうです。「こち亀」、読んでるんだ……)
 この四人が、往路では婚約指輪の盗難事件、パリの蚤の市では警察も絡む事件、さらにモン・サン・ミシェルで殺人事件! と次々にハードな事件に巻き込まれます。
 初めは苦手だと思っていた氷室が、鮮やかに謎を解く姿に、治郎は心を引かれていきます。
 さらに、帰路ではピアノコンクールの優勝候補の女性が倒れる事件が!
 推理のサポートをした治郎に、氷室が嬉しい一言を。
 シリーズ化したらいいなあー。ラストまで伏せられていた幸村のプロフィールにはびっくりしましたが、彼のことももっと知りたいですね。
 秋吉さんはご両親とお姉さんがパイロットなんですって。すごいエリート家族なんですねぇ。
 

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