いよいよ20日にトランプがアメリカの大統領に就任する。彼が超大国の舵取りをどうするかで、世界は一喜一憂することになる。危惧されるのは安全保障の問題である。日本としては国益重視の姿勢で臨む以外にないだろう。アメリカはより現実的になるとみられる。自国防衛はおざなりにはしないだろうが、世界の警察官としての役割からは徐々に手を引くだろう▼日本は自主防衛力を高めなければ、中共や北朝鮮の軍事的な脅威には対抗できなくなる。そこで出てくるのが核武装の論議である。アメリカの核の傘があてにならなくなれば、もし仮に核による恫喝が日本になされた場合に、お手上げになりかねない。それに対処するには、潜水艦に核ミサイルを装備しておいて、いざというときに報復するという、抑止力が必要になってくる。通常兵器でいかに日本が優れていても、核がなければ無用な長物でしかない▼憲法9条の二項も改正できない我が国にとっては、それはハードルが高いことは確かであるが、もはや避けては通れないのである。これまでの日本人の考え方の根本にあったのは、中共や北朝鮮が攻撃してくるわけがない。いざとなればアメリカは日本を防衛してくれるというものであった。しかし、その前提が崩れつつあるのだ。それを無視して日本の平和や安全を維持することは、困難になってきているのである。
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トランプ次期大統領の存在は我が国の核武装とは本来無関係そのものですが、国民世論を誘導するのに有益なのであればせいぜい利用するのが得策、というだけの話です。