まだ10代であった頃の本を引っ張り出して読んでしまった。林房雄と三島由紀夫の『対話・日本人論』である。昭和41年に初版が発行され、僕が手にしたのは昭和45年発行で、すでに8刷目であった。三島は何かに苛立っているようで、それを婉曲に林がたしなめていた。三島が問題にしていたのは、日本のアメリカ化であったようで、丸山真男を批判しているのも、西洋の考え方をあてはめて日本の政治を分析したからなのである。恋闕という言葉が象徴するように、忍ぶ恋に身を捧げるというパトスがほとばしり出ていた。理性によって押さえられない情念が向かう先は、自ずと決まっていたのではなかろうか。今の日本を見渡してみても、歴史とか伝統にこだわるのは、一握りの保守派になってしまった。小沢を毛嫌いしたくなるのは、三島は主張するような、日本への一途さが微塵もみられず、何でもありだからだ。僕は自民党の改革を受け入れようと思う。それが三島の言う日本を守ることになると信じるからだ。しかし、そのほかの政治勢力は、それがみあたらない。ささやかなことかも知れないが、特攻隊の遺書に涙した小泉や、日本という国家を国家たらしめんとする安倍を、心底応援したくなってしまうのである。自民党もアメリカによって骨抜きにされてしまっている。それでも、最後の一線だけはかろうじて守っているのだ。三島の精神を受け継ぐことは、現実的な対応によって、守るべき日本を死守することではなかろうか。本棚に眠っていた本が、僕にそう語りかけてくれたのだった。
最新の画像[もっと見る]
- 秋介忌口笛吹けば秋の雲 35分前
- トランプがハリスをリードする展開に! 2週間前
- 自民党保守派に喧嘩を売った石破は断じて支持できない 2週間前
- 雄国沼は山上の湖 3週間前
- 小泉が失速で流れは高市さん! 4週間前
- 高橋洋一氏が決選投票に高市さんと石破氏が残ると予想! 4週間前
- 讀賣一面の見出しが「高市・石破・小泉氏競る」 1ヶ月前
- 決断力がある高市さんが頼りない小泉氏や優柔不断の石破氏よりもふさわしい! 1ヶ月前
- 高市さん支持が急上昇中で小泉氏と石破氏は低迷! 1ヶ月前
- 高市さんの国家観は未来の日本人の幸福を見据えている! 1ヶ月前
http://mega-r.com/u/freePage.php?id=box002&pid=1&breakcode=2126
私は、福田恒存を読んでます。
いつ読んでも新鮮です。