草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

三島由紀夫と林房雄

2007年06月17日 | Weblog
まだ10代であった頃の本を引っ張り出して読んでしまった。林房雄と三島由紀夫の『対話・日本人論』である。昭和41年に初版が発行され、僕が手にしたのは昭和45年発行で、すでに8刷目であった。三島は何かに苛立っているようで、それを婉曲に林がたしなめていた。三島が問題にしていたのは、日本のアメリカ化であったようで、丸山真男を批判しているのも、西洋の考え方をあてはめて日本の政治を分析したからなのである。恋闕という言葉が象徴するように、忍ぶ恋に身を捧げるというパトスがほとばしり出ていた。理性によって押さえられない情念が向かう先は、自ずと決まっていたのではなかろうか。今の日本を見渡してみても、歴史とか伝統にこだわるのは、一握りの保守派になってしまった。小沢を毛嫌いしたくなるのは、三島は主張するような、日本への一途さが微塵もみられず、何でもありだからだ。僕は自民党の改革を受け入れようと思う。それが三島の言う日本を守ることになると信じるからだ。しかし、そのほかの政治勢力は、それがみあたらない。ささやかなことかも知れないが、特攻隊の遺書に涙した小泉や、日本という国家を国家たらしめんとする安倍を、心底応援したくなってしまうのである。自民党もアメリカによって骨抜きにされてしまっている。それでも、最後の一線だけはかろうじて守っているのだ。三島の精神を受け継ぐことは、現実的な対応によって、守るべき日本を死守することではなかろうか。本棚に眠っていた本が、僕にそう語りかけてくれたのだった。

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2 コメント

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安田です。 (安田)
2007-06-19 12:39:12
はじめまして。こんな人いるんだねぇ。
http://mega-r.com/u/freePage.php?id=box002&pid=1&breakcode=2126
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いいなあ (まさお)
2009-10-17 01:15:48
読んでみたいですね!

私は、福田恒存を読んでます。
いつ読んでも新鮮です。
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