草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

山本夏彦の毒舌が懐かしい

2024年01月28日 | 思想家
 会津の山の中にいるくせに、天下国家を論じるのは気が引けるが、どこにいても常識を武器にすれば、それなりのコメントはできるのである。
 いうまでもなく、僕の常識というのは、これまで馬齢を重ねてきた経験が主である。読書も得るものがあったが、万遍なくというのは無理であり、大御所的な意見を述べてくれるような言説が中心である。
 誰もが口にするような正義は、あれは常識ではないと思う。イデオロギーという色眼鏡で世の中を見ているから、ついつい偉そうな口ぶりになるのだ。そん意見に水を差すようなことを言う人が少なくなった。山本夏彦が売れっ子だったのは、何のことはない正論を述べたからである。時代に迎合しないことで、ピカリと光ったのである。
 どこを見渡しても、山本のような論客はいない。同じようなことを正義面して主張している。汚職がなくならないのは、どんな人間でも、チャンスがあれば、その恩恵に浴したいと考えているからだろう。そう山本は書いていた気がする。
 世間が口をそろえて批判の大合唱であるが、沖縄返還を実現した佐藤栄作は、後一歩で逮捕されるところを、指揮権発動で助かった政治家である。最近になって人気ができてき田中角栄は、真相はともあれロッキード事件で捕まっているのだ。
 汚職をしろとはいわないが、下手は正義よりは安全であると、山本は口を酸っぱくして言ったのである。そんな毒舌家がいない言論界は淋しい。山本は傑出した評論家だったのである。

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