安倍首相がためらっているのは、武漢発の新型コロナウイルスに対して、今の法律では何もできないということがあるからだろう。それを破るには法律的な根拠が求められるからである。そのことを正面から論じる法律学者は、今の日本では皆無である。かつて尾高朝雄が『法の究極に在るもの』(昭和30年)で取り上げたくらいで、それ以降はタブー視されてきた▼尾高はカール・シュミットの「具体的秩序および形成の思考」を参考にして、大胆に斬り込んだのだった。尾高は「具体的秩序とは共同体の生活に内在する自然の秩序であり、その名の通り、具体的な生活秩序である。具体的な秩序とは、抽象的な規則や規範によっては表現され得ず、また、それから汲み取ることもできない、生きた共同体の秩序という意味であろう」と定義する▼尾高によれば、シュミットの思想は、ドイツの民族共同体特有の忠誠とか紀律に価値を見出し、「さような具体的秩序が一切の法組織を『形成する』力をもつという意味」であり、「伝統的な道徳の面が強調される」というのだ。そうした特殊性をこだわり過ぎれば、かつての日本のような過ちを繰り返してしまう。しかし、法の普遍的な理念とバランスを取るならば、「国内法の究極に在るもの」なのである▼危機的な状況下では、日本人が培ってきた伝統的価値が法を超越する力を発揮するのだ。安倍首相は恐れてはならないのである。
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