草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

雪国に育まれた保守の思想を重視した柳田國男!

2016年03月15日 | 思想家

ようやく会津も春めいてきた。桜の花が咲くのを待つばかりである。この冬は積雪が例年より少なかったとはいえ、やはり閉ざされた世界で暮らしたことには変わりがない。日本列島を見渡しても、雪深い地というのは限られている。新潟県の魚沼や福島県の会津地方、さらには、山形県から青森県にかけてではないだろうか。柳田國男は雪国で生きる人たちがかけがえのない過去と結び付いていたことに注目した。今後それを守り育てて行くのは、雪国に住む若い女性であるということにも▼「幸いにして家の中には明るい囲炉裏の火があり、其火のまわりには又物語と追憶とがあった。何もせぬ日の大いなる活動は、恐らくは主として過去の異常なる印象と興奮との叙述であり、又解説であったろうと思う。即ち冬籠りする家々には、古い美しい感情が保存せられて、次の代の平和と親密とに寄与していたのである。其伝統が行く行く絶えてしまうであろうか。はた又永く語り得ぬ幸福として続くかは、結局は雪国に住む若い女性の、学問の方向によって決定せられ、彼等の感情の流れ方が之を左右するであろう。男子が段々と遠い国土に就いて、考えねばならぬ世の中になった。雪国の春の静けさと美しさとは、永く彼等の姉妹の手に、其管理を委託されて居るのである」(『雪国の春』)▼先人の過去を思い起こすことで、私たちは自らの身の処し方を決定できるのである。世の中を良くしていくことが大事ではあるが、それはあくまでも守るべき価値があってのことであり、それが絶えず念頭に置かれなければならないのである。

 

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