草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

テロに走った5・15事件のときと似てきた今の日本

2011年05月15日 | 歴史

 今の世情は昭和7年5月15日のときと似てはいないだろうか。あのとき国民は、血なまぐさいテロに共鳴した。中村武彦は「5・15事件に対する国民の同感、支持は今日から考えれば信じ難いほど大きかった。陸軍海軍それぞれの軍法会議に向けて助命、減刑の嘆願が殺到したが、殊に陸軍の軍法会議では、純真なる士官候補生への人気は国民の憧れとも伝えるところまで高まった。嘆願書に添えて小指を切る者も多く、法廷に提出されたアルコール漬けの小指の数は、ちょうど士官候補生の数と同じ数であった」(『私の昭和史』)と書いている。5・15事件では、海軍将校、陸軍士官候補生、農村青年など30余名が、首相官邸、政友会本部、警視庁、日本銀行、三菱銀行、東京市内の数カ所の変電所を襲撃した。首相官邸を襲ったのは、海軍中尉三上卓と陸軍士官候補生後藤映範ら9名。そこで犬養毅首相が殺害された。「騒がんでも話をすれば分る」と静止しようとした犬養に向かって、問答無用と銃を発射したのである。彼らが撒いた檄文では、建設よりも破壊を主張し「すべての現存する醜悪な制度をぶち壊せ!」と訴えている。日本は不況のどん底にあったばかりでなく、昭和6年に勃発した満州事変は、泥沼化しつつあった。今の原発事故後と同じで、閉塞感が漂っていたのであり、テロの背景には、それなりの理由があったのだ。  

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被災地の治安維持は国家の至上命令だ!

2011年05月15日 | 安全保障

 東日本大震災の被災地では一時期、治安が乱れて大変なことになったといわれるが、ボランティアで福島県にやってきた男が、女子高校生に強姦致傷を働き、5月13日に福島地検に起訴されていたことが明らかになった。つい先日、仙台市の友人と電話で話す機会があったが、津波の被害が大きかった多賀城市では、スーパーや書店のレジが持ち去られるという事件が相次いだという。警察に駆け込んだらば「あなたの店で80件目の被害届けです」と言われたとか。さらに、石巻市では、見知らぬ者たちが出没して、外を歩くのも危険な状態だったともいわれる。福島県警では、福島原発の影響で立ち入りができない地域に監視カメラをつけることにしているが、国が戒厳令を布くことができないために、混乱が増大してしまったのではないか。警察、自衛隊にしても、災害救助に奔走しなければならず、そこまで手が回らなかったはずだ。本来であれば、自衛隊が銃を手にして、警備にあたるのが当然なのである。混乱に乗じて犯罪を働く者たちに対しては、断固たる処置を講じるべきだ。責任逃ればかりしている民主党政権に、それを望むのは所詮無理だろうが。

 

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